夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

ショパンプレリュード17番の適正テンポとは?

ショパンプレリュード17番の進捗状況

1月23日から練習を始めたショパンプレリュード17番。もう一つのレッスン課題であるシンフォニア3番が難航しているため、前々回のレッスンでは5分しかみてもらえず、前回はまったくみてもらえていない、という不遇の待遇を受けている。

たしかに譜読みには苦労した。右手左手が交差する箇所が多く、「ここは左手で弾いたほうがええんちゃう?」とか「ここの右手部分は下の部分を左手で弾いたほうがいいかも?」と悩ましい、そして不毛な時間を過ごしたせいである。その譜読みも2月6日ごろ、自分勝手なエクセル練習帳に「譜読み、完成!」とコメントに入れるまでになった。さて、次のレッスンは2月24日だ。まだ時間があるから、どこにテコ入れすればいのか?それにしても気になるのはこの曲のテンポである。つまりピアニストによって幅がありすぎるのだ。

ゆっくりで弾く20世紀の巨匠、クラウディオ・アラウ

前々回、レッスンで弾いたとき、先のショパンコンクールで3位にはいったガルシアのテンポが脳内に響いていたので、それに従った。でも先生から「速すぎます!」とのお声が。そりゃそうだ、まだ音をはずしまくっているのにテンポだけりっぱでもねぇ。あらためていろいろなピアニストの録音を探すと、20世紀を代表する巨匠として知られるクラウディオ・アラウのプレリュード17番は♩=75ぐらいのアンダンテに近く、しかもとても歌心がある優美な演奏なのだ。

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速めで弾く現代屈指のピアニスト、キーシン

次は私にとって、「ちょっと速すぎるんとちゃいます?」という例。ピアニストはキーシンで♩=95~100に相当するかと思う。これぐらいの速度になると、左手の3連符がさざ波のように聞こえる。私が弾いたら犬のハァハァに聞こえるだろう。はて、作曲したショパンはどういう意図で書いたのだろうか?あらためて楽譜をよくみると、Allegretto (アレグレット)とある。ということは♩=96~120だからキーシンのが近い、ということになるではないか?これは意外だった。私はキーシンは若さとテクニックがあり余って、速弾きしているのかと思ったけれど、違うのかもしれない。

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グレッグ・ニームチュクのチュートリアルで学ぶ

いずれにしろ、キーシンのように弾けないし、キーシンのテンポにもついていけない。そこで、グレッグ・ニームチュク(Grzegorz Niemczuk)のチュートリアルを見ることにした。

グレッグ・ニームチュクは2017年、ボーランド国営ラジオが選出する「ショパンの解釈が最もすぐれたピアニスト」にアルゲリッチポリーニと並んで選ばれたかたらしい。ということはポーランドお墨つきのショパン弾きということだね。

聞いてみると、多分チュートリアルのためだからなのか、きわめてゆっくり弾いていらっしゃる。そして説明もこの曲に対する溢れる愛情が現れていて好ましい。ショパンがこの曲を書くにあたって、メンデルスゾーンシューベルト、あるいはオペラに影響されたのではないか、という説も非常にわかりやすい。これだけ丁寧に教えてもえらえたら、もうレッスンなんかいらないのではないか?と思ったりするのだが、コトはそう簡単ではないだろう。グレッグ・ニームチュクは私のピアノの弾き方をご存じないので、もし知ったら仰天して、曲想どころではないかもしれない。やはり私の欠点は先生が一番よくご存じなのだ。

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