不便なところに住んでいると、スキマ時間ができる
月に2回、神戸三宮で受けているフランス語レッスンの時間は、だいたい午後3時頃と決まっている。もし私が駅近に住んでいるのなら、JR、阪急、阪神で20分もあれば現地に到着するのだが、あいにく山のふもと暮らしときている。しかもこの時間帯のバスは1時間に1本しかない(朝夕なら1時間に2本)。したがって私は午後3時のレッスンにまにあうよう、1時半ごろのバスに乗り、三宮に着いてからは、ダイソーにいくかブラブラとウィンドウショッピングをするのがいつものパターンなのだ。
ところが今月はすでにたまたまはいった個人ブティックで予期せぬ買い物をしてしまった。私にはこういうことがよくある。個人経営のお店の場合、話しかけられてイヤとはいえず、おまけに何か買わないと悪いような気がしてそれほど欲しくないものを買ってしまうのだ。まったく気の弱いおばちゃんである。だから今回は絶対に三宮で買い物はしない、と心に決めていた。
スキマ時間にストピを弾くことにきめた
レッスンまでの空き時間をどう過ごすかについてだが、ウィンドウショッピングをせず、ストリートピアノで練習をすることを思いついた。場所は神戸市営地下鉄海岸線の花時計前駅構内にあるアップライトピアノである。
実はここのピアノを利用するのは、初めてではない。去年12月にバッハコンクール地区大会に参加したとき、出番が午前中だったため家で充分練習ができず、会場への途中にあるここのピアノで10分ほど指慣らしをしたのである。
そのときはスイカをタッチして改札内にはいったので、でるとき、駅員さんから「今度からは『ピアノ弾きます!』だけゆうてくれたらええからね」と言われた。つまり料金を支払う必要はなく、弾くだけだったら無料なのだ。やったぜ!!
さて、私は生まれも育ちも神戸市なので、お隣の市に住んでいる今も神戸っ子のつもりだが、残念ながら神戸市営地下鉄には縁がない。もともと地下鉄自体、できたのが1977年と、私が大人になってからだし、それに私が人生を過ごした灘区、東灘区には運行していない。つまりおおざっぱにいうと、神戸市の西側に住んでいる方々が地下鉄を利用しているのであって、幸か不幸かそのあたりには知り合いもいない。小説じゃあるまいし、偶然昔の同級生に会い、「あれ、小学校で一緒やったゆめこちゃんとちゃう?」と言われることはないのだ。ストピを弾くには絶好のチャンスである。
誰も聴いていないから緊張とは無縁のストピ
さて、このストピはカワイのアップライト。かなり埃が目立つので、ピアノの上にあった布でいちおう、綺麗に拭いてあげる。弾く前には「手指の消毒をしてください」と掲示物があったので、アルコール消毒をしてからやおら、何を弾こうかなぁと始めた。この時点で約10メートル先にあったベンチに腰かけている人が2,3人。行き交う人もまばら。金曜日の午後なのにね。こんなに人が少なくて付近のお店の商売は大丈夫なのか?と心配になる。
ところでこういうときの私はまったく緊張しない。誰も聴いていないと思うとなんだって弾ける。ただしクラシックは暗譜していないので、何も弾けない。楽譜をみないとどの音から始まるのさえ、そしてそれがレッスン目指して毎日弾いている曲さえ、記憶はあやふやである。
メドレーで弾いた曲が5曲、そして誰もいなくなった
とりあえず、これからフランス語レッスンにいくので、モチベーションを上げるため、フランス音楽関係から始めようと思い、
- 0.:00-1:40 「シェルブールの雨傘」
- 1:44 -3: 20 「男と女」のテーマ、しかしエンディングコードを忘れる。ごまかす。その後なぜかフランス音楽を思いつかない。
- 3:30 - 5:13 「イェスタディ」
- 5:14 - 6:45 「ミッシェル」
- 6:47 フランス語レッスンの時間が気になり、時計をみる。
- ? 「80日間世界一周」でラスト
この頃、駅構内はとうとう誰もいなくなってしまった・・・
私のピアノ、うるさかったのかしらん??ちょっと悲しい。
なお、これらの曲をWindows11にはいっているClipchampというアプリで曲名を入れようと約2時間格闘したが、とうとうできなかった。みなさん、「使いやすい、簡単!」と言っているのに!