夢でささやくピアノ

ジャズピアノとクラシックピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

「ハラミちゃんパリを行く」を見てフランスの底力を感じた

4月放映のNHK街角ピアノスペシャルより

ハラミちゃんがパリでストピを弾く番組をみた

先日、録画しておいた「NHK 街角ピアノスペシャル ハラミちゃんパリを行く」を見た。これはいつ放映されたものだろう?録画しても見終われない番組がどんどんたまっていくのだが、これはごく最近放映されたように記憶している。

ちなみに私がハラミちゃんをテレビで見るのは初めてだが、YouTubeやネットのインタビュー記事で彼女がいかにしてスターになったか、1回曲を聴いただけでそれを即座に再生できる神ワザをもっていることはよく承知している。

みなさんピアノが上手くそれもほとんど男性

私がフランスに語学留学していたのは日本のバブル期であって、大昔のことだから、ストリートピアノなんてものは存在しなかった。そしてまるで選んだかのようにこの番組でストピを弾く人は、「めっちゃ」上手く、そして圧倒的に男性なのが不思議に思えた。

だって私は最初フランス人が50-60人いるカトリックの女子寮に住んでいたのだが、そのなかでピアノが弾ける女の子は2-3人しかいなかったよ。

今やフランスではピアノは「おとこがすなる」ものなのか?これはよくわからない。少なくとも日本のようにピアノ=主に女の子がするお稽古事、という概念はないのだろう。

今やフランス国内の鉄道駅には60以上のストピが設置されているとのこと。よく見ればピアノに「À vous de jouer」(ア ヴ ド ジュエ)という案内板が掲げられている。「弾くのはあなたです➡どうぞ弾いてください」というニュアンスかな?

パリ/サン・ラザール駅構内のストピ

地下鉄ミュージシャンも狭き門

もちろん昔もメトロ(地下鉄)のそこかしこで音楽をやっているミュージュシャンはふつうにいた。ギターとかアコーディオンとか歌とか・・・日本ではそういうのを見たことはなかったから、当初は珍しく感じたっけ。でもみんながうまいというわけではなく玉石混合だったかな。素晴らしいな、と思ったひとには何フランかいれたかもしれない(当然ですがユーロ以前なんで)。

ところが25年前から、地下鉄の構内で音楽をやるのには当局の許可が必要だそうだ。これは知らなかった!彼らは Musicien du Métro de Parisパリ地下鉄の音楽家)と呼ばれるそうだが、2000-8000人の応募者に対し、採用されるのは約300人と狭き門だそうだ!

やっぱりフランスの芸術の底力には脱帽だ

番組を見る前、私はハラミちゃんがパリでストピを弾きだすと、パリジェンヌやパリジャンが彼女のピアノの腕前に驚愕し、「ブラボー!」を叫びながら彼女を抱きしめるシーンのオンパレードか、と想像していた。

しかし彼女のピアノに笑顔を見せる人はたくさんいたが、なにぶんにも現地でピアノがうまいひとが多すぎるのか、ちょっと予想と違っていた。

そうだねぇ。フランスでは国内だけでなく、ヨーロッパ各地からいろいろな人が出たり入ったりするものねぇ。やっぱり音楽というか芸術の分野でのフランスの底力には、一目を置かざるをえないと思ってしまったよ。

独自の音楽世界を持つヴァンサン・ヴィネル氏

最後のほうで、ハラミちゃんと連弾した男性は、ヴァンサン・ヴィネル氏と言い、フランスでかなり有名なミュージシャンらしい、ということがわかった。視力障害を乗り越え、独学で独自の音楽を追求しているらしい。

ハラミちゃんとヴァンサン・ヴィネル(Vincent Vinel氏)

YouTubeで調べてみると、フランスのオーディション番組で彼の歌が審査員を圧倒した動画が1億回以上視聴されているとのことなので、下に貼ってみた。

よろしければどーぞ!

www.youtube.com