「ヴィールスをもっている」➡「熱にとりつかれている」
3月23日。ようやく関西でもところどころ桜が咲き始めたようだ。関東に比べると遅いなぁ。この開花時期の違いはどこからくるのだろう?どう考えても関西が関東より寒いということはないとは思うけど。
疑問に思いながら、フランス語学校へ到着すると、マスクなしの先生が満面の笑みで私を迎えてくれた。そうそう、きょう先生に会ったら一番に、「マスクは外されたらどうでしょうか? 私は気にしませんから」というつもりだった。先を越されてしまったなぁ。ところで先生のマスクなしのお顔を拝見するのはきょうが初めてである。そういうと、先生はおどけて、「私はヴィールスをいっぱい持っていますよ!」というのだ。
きょうはじめて習った成句だが、フランス語で直訳すれば「ヴィールスをもっている」は「avoir le virus」となるのだが、次に名詞をくっつけて、「~~の熱にとりつかれている」という意味になるそうだ。
だから先生は私のことを評して
Yumeko a le virus de la musique (ゆめこは音楽熱にとりつかれている)
というのだが、そうかな? そこまでいけばわれながら大したものだけれど。そして先生が嬉しそうにおっしゃるには、「ピアノを再開したんだよ!」とのこと。へぇー、バイエル終了直後にドビュッシーの「月の光」をやろうとして挫折した話は以前聞いたことがあったが、また「月の光」に挑戦することにしたのか? ではなくて、今度は、映画「アメリ」のテーマのワルツであり、これも以前試みたことがあるそうだ。
パリの雰囲気がいっぱいの映画「アメリ」
そういえば私はこの映画のことをすっかり忘れていた。パリの雰囲気がいっぱいで、とても気に入っていた映画なのに!思い起こせば、内気で空想癖のあるアメリが、人々とのコミュニケーションに悩みながらも、ひとを幸せにすることに喜びを見出し、最後にはニノという恋人に恵まれる、というどちらかと言えば単純なストーリーだったため、長くは印象に残らなかったのか?
フランスはもちろん、日本でも大ヒットしたらしいが、ごらんになっていないかたは予告編をどうぞ!
テンポキープが難しい?「アメリのワルツ」
先生によると、この映画のなかのワルツ「La valse d'Amélie」は最初は比較的ゆっくりだけれども、次に♩=150の速さになって、それを最後までキープするのがとってもむずかしいそうである。あれ、そうだったかな? ↓に貼ったのがオリジナルである。
ランランが弾く「アメリのワルツ」
ところで先生は誰のアレンジの「アメリのワルツ」のことを言っているのだろう?ひょっとして、ランランの楽譜? それなら私ももっている。夫が私の何回目かの誕生日にプレゼントしてくれたものだ。
ひとによっては「こんなの簡単!」というひとは多いだろう。しかしアルペジオが苦手な私にはとても言えない。これは充分左手アルペジオの練習曲になると思う。チェルニー30番に飽きたかたはぜひ試されてはいかがだろうか?
楽譜の冒頭にはランランのことばでこうある。
I love this movie because it has a fairy-tale feel to the music. You can have a lot of fun using the pedal in this piece; I hope you enjoy the music - it's simple, but very magical.
その通りでございます、ランラン様。