クラシックは裏拍とは無縁か?
前回の記事で、ジャズを代表とする西洋の大衆音楽では、裏拍が基本みたいな書き方をした。
しかし、何度もしつこく言うようだが、私は音楽の専門家ではないので、これにも(?)がつく。
いってみればこのブログは還暦をとっくに越したおばさんが、独り言のようにぶつぶついっているだけのことなので、もし正解を知りたいかたはどうぞ、chat GPTに聞いて見てくださいね。
きっと合点することと思います。
えーと、本題に戻って、ではクラシックは裏拍と無縁なのでは?という理屈になるかもしれないが、それもそうとはいいきれないようである。
ということに思い至ったのが、先日のクラシックピアノのレッスンである。
バッハのノン・レガートは裏拍を感じて
ちょうどその日は、シンフォニア10番を弾くにあたって、「ノン・レガート」をどう弾くか、ということにハナシが集中した。
そのとき、先生はこうおっしゃったのだ。
「バッハってすごく昔の人ですけれど、リズム感がないと弾けないんです。
いち、にい、さん ではなくて
いち、にい、さん のように、
ちょうどジャズみたいに裏拍を感じて弾いてください。
そうしたらノン・レガートの長さが揃います。」
ノン・レガートの秘訣はねえ ねえ ねえ
さらに先生は、
「ノン・レガートで、何かいい例はないかしら?」と言いながら、
インヴェンションの4番を弾き始め、8分音符をスタカートのように「切る」弾き方と裏拍を感じながら弾く2通りをやってみせてくださった。
そして裏拍を感じる弾き方では、
「ねえ ねえ ねえ という感じでね!」
と言ったのだ。
なんか、この「ねえ ねえ ねえ」はとっても腑に落ちたなぁ。
だって子どものときから、この「ねえ ねえ ねえ」は何回言い続けてきただろう。
両親におねだりをするとき、友だちにハナシを聞いてもらいたいとき、かならずや口にした呪文のようなことばとも言えるだろう。
実際、プロのピアニストの演奏を聞き比べたところ、ここの8分音符をスタカートのように弾いているかたも多いようである。
でも、もし私のような学習者が、裏拍も感じながら弾くことができたら、テンポが走ることや、縦の線が揃わない、といった危険も回避できるのでは、と思ったのであった。
オイゲン・キケロのスィングするバッハを聴く
しかしなんでこう、ジャズミュージシャンのなかでバッハにとりつかれる人は多いのだろう!
私のジャズピアノの先生は、練習はまず、インヴェンションから始めるそうである。
いや、世界的にむしろ逆で、クラシックピアニストがジャズにとりつかれてバッハをジャズで弾いているのか?
バッハのジャズアレンジで有名な、オイゲン・キケロやジャック・ルーシェはクラシックからはじめてジャズに転向したひとたちである。
私の最近のお気に入りは、バッハの管弦楽組曲2番ロ短調 BWV1067をキケロが、見事にスィングさせたもの。
もっとも最初、私は
「バッハには違いないけれど、これ何番かなぁ、わかれへ~ん」
といらいらしながらネットを探し回っていたところ、夫に聞いて即解決した。
1067という数字さえ合っている・・・
やれやれ、夫に聞いて解決するのはフランス語だけではなかったのだ!