繰り返し聴いてきた「虹の彼方に/この素晴らしき世界」
私が繰り返し、繰り返し聴く曲のなかのひとつに、イズラエル・カマカヴィヴォオレの「虹の彼方に/この素晴らしき世界」がある。
まずイズラエル・カマカヴィヴォオレ、通称イズさんだが、残念ながらもうこの世にはいない。340kgという巨体というか、肥満のために1997年にすでに亡くなっている。
その巨体を楽器として発される声はまことに美しく澄んでいて、伴奏のウクレレの音が加わると、「わぁ~ハワイや~天国の島やなぁ~」と思えるのだ(ちなみに私はハワイへ行ったことがない)。
そして彼のアルバム「Facing Future」のなかに収められている「虹の彼方に/この素晴らしき世界」は映画、テレビ等でよく使われている。
それがどういうシーンかというと、たいていエンディング近く、主人公に近い人が亡くなるという悲劇になっても、残されたものには、明るい希望がありまっせ、というのを示唆したいときに(誰が?製作者が?)使われているような気がする。
映画「ジョーブラックをよろしく」での挿入歌
まず使われている映画のひとつとして、ブラッド・ピット主演の1998年の映画「ジョーブラックをよろしく」。
これはヒロインのお父さんがあの世へ?という悲しい事態になってもブラッド・ピット演じる青年とヒロインには新たな未来が・・・だから明るいよね。
映画「小説家を見つけたら」での挿入歌
次は2000年の映画「小説家を見つけたら」(Finding Forrester)で、エンディングテーマとして使われている。
ショーン・コネリーを演じる小説家が死後、自分の作品の序文を、文学の才能に恵まれた友人である少年に捧げ、アパートも彼に残すのだ。だから少年にとっては悲しくても、明るい未来が待っているよね。
【自撮動画】「虹の彼方に/この素晴らしき世界」
で、私もこの究極のハッピーソング、もとはと言えば、ジュディー・ガーランドの「虹の彼方に」とルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」をドッキングさせたものを弾いてみたく、いろいろ試行錯誤した。
最初は両方とも、イズさんとおなじようにインテンポで弾いていたが、どうにも彼の澄んだ歌声と、のどかなウクレレのようにはいかない。
なんかしっくりこない。
ちょうどこのとき、ドビュッシーのベルガマスク組曲プレリュードをかじりかけていたので、それに倣い、最初をドカーンと和音で行くことにした。となると、最初1コーラスはテンポ・ルバートで行こう!
そして2コーラス目からは「この素晴らしき世界」でインテンポとし、R&Bっぽくもしたいし・・・となって出来上がったのが、下の自撮り動画。
今の私にはこれがせいいっぱい。
それにこの2曲、やっぱり似ていて、弾いている途中で今どっちだったのか、ときどきわからなくなることもあったワ。
どういう構成にしようか、アタマを悩ましているときは、しんどいなぁ、楽譜があったらいいなぁと思うこともある。
でも弾いているときはハッピーだったのは確か。
「虹の彼方」にはきっと「素晴らしき世界」があるんだね!