アラン・ドロンの主演映画ランキング
私はアラン・ドロンの映画を全部見たわけではないが、それでも主要なものは一応全部見ているので、私なりの彼のベスト映画を以下に挙げる。
共通点は全部、彼は犯罪者役なんだけどね。
そのなかでも「太陽がいっぱい」は群を抜いた出来だと思う。
まずパトリシア・ハイスミス原作の小説が犯罪小説として完成度が高い。
そして監督、主要人物の二人も素晴らしい俳優さんたちだし、そして何といってもニーノ・ロータの音楽!
何であんなに哀愁にみちたメロディーが書けるんだろうね。
「ゴッド・ファーザー」や「ロミオとジュリエット」もすばらしいが、「太陽がいっぱい」を聞いただけで、野心と嫉妬心がいっぱいのドロンの顔が浮かんできそうである。
「太陽がいっぱい」のあらすじと予告編
「太陽がいっぱい」をひょっとしてまだ見ていない、というかたのために、あまりにざっくばらんに筋をご紹介すると:
貧乏人のトム(アラン・ドロン)が、大富豪の息子、フィリップにいいように扱われているうちに、殺意を抱き、実行。
フィリップになりすましたトムはフィリップの金ばかりではなく、フィリップの恋人の愛情までも手に入れたように見えたが・・・というお話。
「太陽がいっぱい」をめぐる解釈
ところでこの映画が世に出てもう60年にもなるので、いろいろな解釈も話題になった。
そのなかのひとつ。
貧乏人のトムが大富豪フィリップに最初に殺意を抱いたのは、フィリップがヨット上で手づかみでシーフードを食べるのを見たとき、というのがあった。
なぜかというと、トムにしたら金持ちはどんなときでもナイフとフォークでエレガントに食事をするものという思い込みがあった。
ところが、真の金持ちというものは、カジュアルな場面ではカジュアルな行為、この場合は手づかみがおしゃれである、ということをトムは初めて知り、劣等感から殺意に至ったというもの。
これはねぇ~ 言われてみればそうかなぁというぐらい。
そしてもうひとつ。
その道のプロ、映画評論家の淀川長治氏の解釈によると、トムとフィリップは同性愛関係にあったというもの。
これはまったく私にはわからない。
だってフィリップはトムをバカにし、あれだけコケにしていたし、トムはトムで、金も女もほしいものは何でも手に入るフィリップを、殺したりないほど憎んでいたほうに思えるのだが・・・
まだまだ私は読みが浅いということなのか?
フランス語を教えてくれた「太陽がいっぱい」
一方、この映画で忘れもしないフランス語といえば
meilleur (メイユール)
である。
映画の日本語字幕がどうなっているのか定かではないが、私が訳するとなると、
「気分はサイコー!」
となるかも。
完全犯罪を成し遂げと思い、フィリップの恋人をも手に入れたトムは、イタリアの浜辺で太陽をいっぱいに浴びながら、
「Meilleur... meilleur...」
とつぶやくのだった。
そうか、こういうときには「Meilleur(e)」と言うのか知り、人生で一度は使ってみたいと思ったのだが、いまだかつてそういう場面には遭遇していない。
【自撮り動画】「太陽がいっぱい」のテーマ
このテーマはふつう、ゆっくりとしたテンポで左手アルペジオで演奏されるのが王道だが、あえてジャズワルツで弾いてみた。
イントロはサスペンス映画ということで、007ジェームス・ボンドのテーマを拝借した。
キーはDmからはじめて最終コーラスはGmで。
映画と同じくヒヤヒヤの出来だが、よろしければお聞きください。