日本の学校ではローマ数字を習わない
もう数年前のこと、夫と何の話をしていたのかも覚えていないのだが、ハナシのついでに「ローマ数字って読み方がわからないの」と言ったことがある。
このとき珍しいことに、夫は同情に満ちた表情をし、「日本ではローマ数字って習わないの?」と私に聞いた。
「習ったことないよ。ローマ字は習ったけど」
と私は言ったが、自分の経験だけで、「日本では~」とは言えない。
私が小中学生だったのは、何といっても半世紀以上前だし、そのころと比べると変わっていないもののほうが少なさそうである。
あ、そういえば、今の子どもたちって英語の筆記体を習わないんだってね。
だから私のように筆記体で書くとすぐにトシがばれる。
しかし子どもの頃に筆記体で書くくせがついてしまうと、ブロック体で書こうとしても、時間がかかって仕方がない。
ローマ数字のハナシに戻るが、夫の子ども時代のフランスの学校では、ローマ数字を習う時間があったそうである。
夫も「今の学校ではどうなっているか知らないけど・・・」と言っていたけれど。
読めなくもないが認識しにくいローマ数字
私もローマ数字について、皆目読めないというわけでもなく、また50,100,1000以上の数字をローマ数字で理解したいというのでもないのだ。
ただ単純に、ローマ数字で書いてあると、とくにそれが4,6,9である場合、何であるかを認識するのにゼロコンマ何秒かかかる。
それが自分でも情けなくもあり、うっとうしくもあるのだ。
ローマ数字が現在でも使われる場合
では私はどういう場合にローマ数字をアラビア数字と同じく、瞬時にして理解したいのか。
それはこういう場合である。
- バッハのインヴェンション、シンフォニアなどの多くの楽譜で、楽譜番号がローマ数字で記載されているとき
- 80%以上(根拠なし)のジャズの理論書で、コード進行がローマ数字で記載されているとき
- たまに西洋史の文献、記事を読んでいるとき、何番目の王様かということがローマ数字でかかれているとき
しかし、ローマ数字というのは読み方をアタマに叩き込んでしまうと、論理的であることがわかる。
例えば、原則的に左から右に足していけばいいのだから、
VI = 5+1 = 6 になる。
ところが、私が視覚的に錯覚を起こすのは、右の数字から左の数字を引く6と9である。
IV = 5ー1 = 4
IX = 10ー1 = 9
なので、私の脳が IV をみてそれが4なのか、6なのか判断しなければならないとき、フリーズするというか誤作動するのだ。イヤだね。
コード進行はなぜローマ数字なのか?
まあ、バロック時代の楽譜の番号とか、過去の王様のナンバリングにローマ数字が使われる、というのは何となくわかる。
「おじいさんの古時計」といっしょでそのほうが、クラシックではないか。
しかしジャズ、ポップスのコード進行がローマ数字で書かれることの理由はよくわからない。
コードを度数であらわすっていう便利さはよくわかるよ。
それがないといちいち、「Dメジャーでは」「Aマイナーとすると」と前提書きをしなければならない。
しかし度数はアラビア数字でもよいのではないか?
実際、私は理論書のローマ数字のところに、アラビア数字を鉛筆で加筆している。
すると、主要なコード進行は例として
1→6→2→5
1→4→5→6
3→6→2→5
4→5→3→6
6→4→5→1
となり、まるで電話番号か暗証番号みたいなのだ。
最近は電話番号を覚えることもなくなって、私が駆け出しの会社員時代、得意先の電話番号をそらで覚えていることが、数少ない特技のひとつだったことなんて、大昔のハナシなのだ。
だからね!自分に言うのだ。
「なんでローマ数字ごときが覚えられないのか」ってね!