夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

見果てぬ夢に終わりそうなクラシック難曲制覇と原書読破

プルースト失われた時を求めて」の原書

私のお気に入りクラシックピアノ曲

ピアノを習っている大人の方の中には、いつか弾けるようになりたい、と胸に秘めた難曲があるかと思う。多くは「ラ・カンパネラ」だったり「ショパンエチュード」だったり「英雄ポロネーズ」だったりするようだが。

私にだって、そういう曲がまったくないわけではない。クラシックのピアノ曲のなかで私が一番好き、いつか弾けるようになりたい、とこれまでに思ったのは、ショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」である。ショパンは特に好きな作曲家でもないのに不思議だが。

映画に使われた「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ

この曲を知ったのは1995年のフランス映画「Dis-moi oui」(邦題:世界で一番好きな人)に使われていたのを聴き、あるフレーズに胸キュンとなったからだ。ところがこの映画がお好きでYouTubeにアップしてくださったかたはみな、この曲が使われていない場面を選んでアップしているかのようだ。

仕方がないので映画「戦場のピアニスト」のエンディングでこの曲が使われている場面を下に貼ろうと思ったが、これは「著作権上の問題で権利所有者によりブロックされています」とでた。むずかしいなぁ。こんなんやねん、といいたいだけやのに。

クラシックピアノの難曲に取り組むことと、外国語の原書を読むこと

私にとってクラシックピアノの難曲に取り組むことと、外国語(フランス語)の原書を読むことはほぼ同じである。どちらもたいてい長いからコツコツ始めるしかない。

なんとか楽譜にある音を読んで鍵盤を押さえるのと、わからない単語を辞書で調べる手間はほぼ同じである。ピアノだからヴァイオリンや管楽器と違って一応音はだせるが、それが音楽と呼べる音になるまではほど遠い。

講読もそうだ。個々の単語の意味がわかっても文章全体、また前後の文章とのつながりがわかるまで四苦八苦する。そしていくら読み返してもまったく意味がとれないこともある。

失われた時を求めて」の読破が目標だった

外国語の原書を読むことについては、長年、プルーストの「失われた時を求めて」を読破することが、フランス語学習を始めた20代くらいからの目標だった。特に理由はない。しいていえば、20世紀の金字塔といわれる文学だから、永遠のフランス語学習者としては読む努力をすべきだと思ったのだろう。

しかしあまりの難解さから、平易な表現を用いた短編から中編を読むべきかな、と数ページで後悔しはじめる。

「そうや、やっぱりモーパッサンでも読んでないのがいっぱいあるのに。長編やったらまだバルザックのほうが面白いかもしれへん。いや、それより『レ・ミゼラブル』から始めたほうがええかなぁ」

こうやって迷い、中断し、放棄し、そして忘却の彼方へ、を今まで繰り返してきた。

もはや原書読破はあきらめた

そうこうしているうちに、私は年齢を重ね、老眼が進み、読書自体が辛くなってきた。たぶん「失われた時を求めて」をフランス語で読むことはもう見果てぬ夢だろう。ではせめて日本語で、と思って翻訳版を読み始めたこともあったが、これまた挫折している。そういえば「カラマゾフの兄弟」もまだ終わっていない。「戦争と平和」を2度読めたのはやはり若かったからだろうか?

「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」はいまだ手つかず

「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の楽譜は手元においたままである。練習もしていないのに、なんだか紙の色も変わってきた。まだ何も練習を始めていないのは、どうせまた挫折してしまいそうなのが怖いからである。要するに将来登れる山があるうちは、その山を眺めていたい、ということか。

ここでミュージカル「ラ・マンチャの男」でドン・キホーテが歌う「見果てぬ夢」(The impossible dream)を聴いてみたいと思う。たまには日本の歌手さんで、そう私のイチオシ日本人男性歌手の布施明さんで。

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