英国王立音楽検定の課題曲を弾く演奏会
先日、クラシックピアノのレッスンに行った折、先生から「来月なんですけれど、『英国王立音楽検定の課題曲を弾く演奏会』というのがありますから、参加しませんか? 会場のピアノがとっても弾きやすい、いいピアノなんですよ」と言われた。
英国王立音楽検定の課題曲は、先日の記事にも書いた通り、(A)バロック/古典(B)ロマン派(C)近現代と三つのカテゴリーに分かれているが、これが揃いも揃って超玄人好みの選曲なのだ。
ちらっとみたところ、なじみ深いところでは、ハイドンとかベートーヴェンも混ざっていたよなぁ。
でもたぶん半数ぐらいは聞いたこともない作曲家ばっかりだったと思う。
もちろん課題曲リストというのはネットでもPDF版をみることができるのだが、説明も細かいし、全部英語だしね。
グレードは1-8まであるのだが(難易度は昇順)、先生によると、私はまず5から受験すればよい、という。
まぁ、本当に受験する気があるのならね。
それに何といっても来月でしょ!足のケガで先月レッスンを休んでいなかったら、早めに誘っていただけたかもしれないが、今から譜読みを始めるのだったらこりゃ時間がないわい、と思い、
「残念ながら今回はもう間に合いそうもありませんので、遠慮します」と申し上げた。
すると先生はいくぶんか残念そうに、「じゃあ、これをお持ち帰りください」と言ってちらしを渡されたので、私はとりあえずそれをカバンに突っ込んで持ち帰ったのだった。
灯台下暗しでスタンウェイが身近なホールにあった
家に帰ってカバンの中身を整理していると、このちらしがでてきたので、はじめてじっくり見てみた。
すると会場名は「東灘区民ホール/うはらホール」とあり、ピアノの機種はスタンウェイD型とある。
え、ここにもスタンウェイがあるの? 私が10代から何十年も過ごした神戸市東灘区に?
調べてみるとこの通称、うはらホールは、現在の神戸市東灘区と芦屋市が、万葉の時代、摂津国菟原郡と呼ばれていたことからついたネーミングらしく、創立は1992年とのこと。
1992年? 私、日本にいなかったよね? そら知らんはずやわ。
帰国後は神戸に一時帰ったけれど、すぐ職を求めて上京(集団就職か!)したので、ホールのことも、そこに設置されているピアノのことも何も知らなかった。
しかしひょっとして、スタンウェイって本当は日本中にごろごろしているのか?
それなら先日、他の自治体の企画による「スタンウェイを弾く」の申し込みのため、あんなに苦労して電話をかける必要はなかったのかもしれない。
そういえば、最近は大人のピアノ学習者さんのなかでもグランドピアノをぽん!と購入される方が多くなったような気がする。
やっぱり日本、そして日本人は豊かなのか?
それともこれが格差社会の実態で、あるところにはあるだけなのか?
グレード5のカテゴリーAにバッハのインヴェンション
ともあれ、スタンウェイが弾ける機会が増えてよかった!
問題は課題曲。さて、どうするか?
根気よく課題曲の英語PDFリストをしらみつぶしにみていくと、グレード5のカテゴリーAにバッハのインヴェンション8番があることに気がついた。
8番かぁ~ あまり得意ではないんだけどね。
でもYouTubeでの検定用模範演奏を聞くと、速度は思っていたのよりずっとゆっくりだった。
これでいいの? これならいけるか?
でも自由曲もあるぞ?
ウーン、こうなった一番好きなドビュッシーのアラベスク1番で行くか!
まさに手のひら返しの私は、さっそく参加の意思を先生にラインで伝えた。
先生からは「ぜひ会場での演奏をお楽しみください」とお返事が。
そう、楽しむためにはまず、ちゃんと弾けるようになるまでの努力も必要なのだよ。