英国王立音楽検定のグレード5課題曲カテゴリー
英国王立音楽検定の課題曲だが、先日の記事で(A)バロック/古典(B)ロマン派(C)近現代と三つのカテゴリーに分かれている、と断定形で書いてしまった。
これは日本語の下記のサイトをみて書いたのだと思う。
英国王立音楽検定の魅力 | 一般社団法人 Japan Music Excellence Association (JMEA)
しかし原文を読む限り、そうとばかりでもなさそうだ。
List A pieces are generally faster moving and require technical agility.
(リストAの曲では、一般的に動きが速く、技術的な機敏さが必要)
List B pieces are more lyrical and invite expressive playing.(リストBの曲では、もっと抒情的で表現力豊かな演奏が要求される)
List C pieces reflect a wide variety of musical traditions, styles and characters.(リストCの曲は、幅広い音楽の伝統、スタイル、個性を反映)
どこにもバロックとか古典とかいう単語はないからねぇ。
しかし、課題曲の作曲者名にも曲名にもほとんどなじみがないのには変わらない。
これは私の知識不足プラス、英国王立音楽検定の強い個性が反映されているのではないだろうか?
だってヤマハのグレードリストやピティナステップのリストとは違いすぎるもの。
リストAで私が知っている作曲家・知らない作曲家
リストAは比較的楽勝なのだ。
だってハイドン、J.S.バッハ、ベートーヴェン、フンメル、モーツァルト、は知っていますよ! 小中学校の音楽室に肖像画がありそうだ。
しかし以下の作曲家は聞いたことがない。
- Cimarosa (チマローザ 1749-1801)イタリア
- Fiocco(フィオッコ 1703-1741)ベルギーバロック
- Krebs(グレープス 1713-1780)ドイツバロック末期
- Gade(ゲーゼ 1817-1890)デンマーク
- S.Heller(ヘラー 1813-1888)ハンガリー
- Leo(レーオ 1694-1744)イタリアバロック
リストBで私が知っている作曲家・知らない作曲家
リストBになると、知らない率が急増する。
おまけにマスネは「タイスの瞑想曲」一曲。でもこれはいい曲だね。
では聞いたことのない作曲家は下記の通り。
- Hofmann(ホフマン 1842-1902)ドイツ
- Bernadette Marmion(1913- ) アイルランド
- Pilling(ピリング ?-?)
- Bennett(ベネット 1936-2012)イギリス
- Mompou(モンポウ 1893-1987)スペイン
- Pachulski(パフルスキ 1859-1921)ポーランド
- Glière(グリエール 1875-1956)ウクライナ
- Lane(レーン 1950- )イギリス
リストCで私が知っている作曲家・知らない作曲家
リストCとなると知っているのは、なんとバルトークだけなのだ。
あとは全員知りません!
AやBのように列挙するつもりだったが、もうしんどくなってやめた。
だってウィキペディアに載っていないようなかたの名前も多いのだから推して知るべしだ。そしてイギリス人が多い。
またジャズピアニストによるジャズ風の曲もある。
これはジャズ好きの私には喜ばしいことなのかもしれない。
しかし基本的に私は、即興をせず書かれたものを弾くのでは、ジャズ風であってもジャズではないと思っている。それって英語のABCを習わず、ローマ字を習うのと大して変わらないのでは?
まあよい。
本題は「英国王立音楽検定課題曲はなぜこんなにクロウト好みか?」ということなのだが、結局私にはまったくわからない。
世界にはまだまだ忘れられた才能、隠れた才能がいっぱいありますよ、ということを知る機会を提供してくれているのだと思うことにしよう、とりあえず。