日本人はなぜ初見が苦手か?
英国王立音楽検定の対策として、私が一番アタマを悩ましているのは初見演奏である。先生から聞いた話によると、この検定の受験者は世界各国にいるが、日本人の初見演奏の点数は飛びぬけて(?)かんばしくないそうだ。
そのあまりのひどさにイギリス人の試験官は「どうして日本人はこんなに初見ができないのですか?」と呆れ、反対にイギリス在住のピアニスト小川典子さんの著作によると、イギリス人音楽家の初見の速さ、正確さには舌を巻くそうである。
どうして日本人は初見ができないかって?
だって音大志望の生徒でもなければ、普通のレッスンじゃやらないでしょう?
少なくとも私は習ったことはない。
では対策はどうしたらいいのか?
とりあえずグーグルさんに聞いてみよう!
初見のためにまた楽譜を買わねばならないのか?
私はブラウザにグーグルクロームを使っているので、とりあえず検索窓に「ピアノ 初見 練習方法」で入れると、ヒットしたのが下記のサイトである。
上記サイトによると、「まず、初見練習用の楽譜を買いましょう」とある。
つまりバーナムとかトンプソンとか、初心者向けのやさしーいもの。
え!? また買うの?
だって初見って、読んで字のごとく、初めて見る、のだから1回使えばそれで終わりでしょ?
そんなもののために、またおカネ使うの?
私はアタマを抱えた。
だってすでに理論の問題集をアマゾンUSAやUKで購入して、この円安下、もう1万円ちかくも散財しているからだ。
なんとか初見用の楽譜を買わずに済むものか?
YouTubeの初見模範演奏
私が第一に考えたのは、YouTubeにアップされている初見模範演奏(Grade 5)の楽譜部分をスクリーンショットしてPCに保存することだった。
この方法だと、Grade5向けと明示してあるから、難易度の点では問題がない。
しかし
- 面倒くさい。
- 練習問題が少なすぎる。
もっと簡単にできて、簡単な曲で、毎日1曲やっても余裕があるような200曲ぐらいを収めた曲集はないのか?
つくづく子どものときにやったブルグミュラーとかソナチネを捨てるのではなかった、と後悔したが、もうあとの祭りである。
バロック曲集のやさしいものは初見に使えるか?
そこでふと思いついて、ラモーのガヴォットを弾くつもりで買っておいてツン読になっているだけの、春秋社「バロック曲集」を思いついた。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
パラパラとめくってみると、作曲者はリュリ、クープラン、ラモー、ダカンの4人。
なかには見るからに難しいのもあるが、それでもソナタなどにくらべると楽譜の余白率?が高い。
つまり決して易しいとは言わないが、装飾音を除いて弾くことにすればなんとかなりそうだ・・・
いや、やっぱりラモーやクープランは手ごわそうだ・・・
そこで最初のページはリュリ!
ルイ14世の寵愛を一身に受けたリュリの曲から始めてみよう!
リュリで思い出した最高の映画「王は踊る」
なんといっても私は2000年のフランス映画「王は踊る」(原題:Le Roi danse)の大ファンで、これにはルイ14世とリュリの濃い関係が描かれているのだよ!
ああ、この映画、もう一回見たいなぁ。
うーん、フランス映画だから配信で観られるとは思えないし、これもタダで観られる方法を考えなくては!
でもとりあえずリュリの作品3つをピアノ初見演奏から始めることにしてみようっと!