神戸市の「うはらホール」の「うはら」とは?
連日暑い日が続く中の、きょうは英国王立音楽検定の課題曲を弾く、という名目の弾きあい会。
場所は神戸市内の、とあるJRの駅に直結する「うはらホール」で行われた。
ちなみに「うはら」という名称は、万葉の昔、神戸市東灘区と隣接する芦屋市は「莵原(うはら)」と呼ばれ、由来はウサギさんがたくさんこのあたりにいたから、とも言われる。
よって最近は「うはら温泉」だの「うはらまつり」だの、やたら「うはら」という名称を耳にするが、私の子ども時代には、誓って誰もそんな名称は用いなかったし、知らなかったと思う。
これって阪神淡路大震災のあとの復興事業の産物だろうか?(単なる想像)。
ともあれ、この酷暑のなか、日傘をささずにJRの改札をでて数分で到着するホールなんて、なんとありがたいことだろう!
おまけにこのホールにはスタンウェイD型が設置されているんだって!
トムソン椅子の高さ設定で椅子を壊しそうになる
出演者は高校生以下が8名、大人6名というちょうどいいバランスだったが、どうやら私は最年長だったようだ。
前に習っていた先生のところでは、70代のかたが複数いらっしゃったのに・・・と思えば、若干肩身が狭い。
その狭い肩身の上に、私はちょっとしたアクシデントを引き起こした。
私の前に弾いたのは小柄な中学生だったが、彼の椅子設定が高すぎ、私は丁寧なお辞儀のあと、この椅子を低くしようと思って格闘するはめになったのだ。
かれこれ30秒~1分は椅子をガタガタさせながら、舞台袖をチラチラ見、誰かが助けに来てくれることを期待したが、誰も来ない。
「あーもう、こんな高い椅子で弾くしかないのか!」
と絶望したところ、ガターーーン!!とすごい音がして、椅子はやっと低くなってくれたのである!
トムソン椅子の高さ設定についての動画
神は私を見放さなかったのか、私の根性がしぶとかったのか、演奏ではミスはしなかった(と思う)。
が、しかし椅子の調節方法については、前もって予行演習しておくべきだった、と深く後悔した。
だってウチにあるのは背もたれなしのベンチタイプだからねぇ。
家へ帰ってから調べてみたら、調節の仕方を説明してくれている、親切な動画を発見した。
それによると、「ピアノの椅子の調節をするときには、観客にお尻を向けないように」
とある。
え!! 私はまるまる1分くらいお客さんにお尻を向けっぱなしだったよ!
これってひょっとして楽譜コピーの仕方と同じぐらい大事かも?
ひともそれぞれ、スタンウェイもそれぞれ
さて、きょう弾いた、というか弾かせていただいたスタンウェイD型だが、7月31日に弾いた兵庫県三田市のスタンウェイD型と比べると・・・
はっきり言ってもいいのか?
ウーン、全然よくなかった。
理由はホールの音響のせいではないと思う。
神戸市東灘区のスタンウェイはとても年季のはいったピアノだった。
鍵盤は黄ばみ、ざらざらし、そして鍵盤と鍵盤のあいだに不規則なスキマがあった。
どうしてこういうことになるのかさっぱりわからないが。
大勢のひとが入れ替わり立ち替わり弾くとこうなるのか?
私も三田市の「郷の音ホール」のスタンウェイを弾いていなかったら、「さすがスタンウェイは違う!」と感動したかもしれない。
しかし残念ながらきょうはその感動はなく、「スタンウェイD型といっても、人間がそれぞれいろいろあるように、いろいろあるものだなぁ」という感慨を持ったのである!