暑さで出かけたくなかったけれど、スタンウェイに会いに行った
ブログの過去記事を探してみると、兵庫県三田市のホールでスタンウェイを弾く企画に申し込んだのは今月1日だったようだ。
なんだかもっと昔のことのような気がしていたが・・・
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
さて、そのスタンウェイを弾きに行く日はきょうだったのだが、出かける前、私はひどく申し込んだことを悔やんでいた。
なぜかというと、暑いし、よく調べてみるとホールは最寄り駅から10-15分もかかるし、この炎天下に10分も歩きたくないし・・・ようするに家でゴロゴロしていたかったのである。
しかし、お約束は約束なので自分にムチを打って出かけた。
観光案内所の女性のやさしさに感激
さてJR三田駅に着くと、まず北口を出るべきか、南口を出るべきかがよくわからない。
捻挫した足もまだ完全回復していないので、無駄足を省くべく、駅構内にある「観光案内所」でホールへの行き方を尋ねた。
そこで応対してくださった女性が、
「1時間に1本のバスがもうすぐでますから、それに乗ったらいいですよ。
ほら、バス停はあのECCの看板の前です」
と教えてくれた。
私は丁寧に礼を言い、約200m離れたバス停まで移動してバスを待ったが、
「あれ、どこで降りるんやろ、聞くのを忘れた・・・」
すると先ほどの観光案内所の受付女性が、息を切らして駆けつけ、
「〇〇センターで降りてくださいね!」
とわざわざ言いに来てくださったのだ!
なんとうっかりものに優しく、のどかな町なんだろう!
田園風景に忽然とあらわれた大ホール
たしかにそこは、静かでのどかで平和な町だった。
田んぼと川がひろがり(私の住む町も都会とはいいがたいが、それでも田んぼはない)
忽然と立派なホールがあらわれる。
誰が来るんだろう、もちろん三田市民か?
スタンウェイとよいお米の白ごはん
さっそく受付で30分で1500円の使用料を払って自分の番を待つ。
さて、いよいよ時間となってホールに案内されたが・・・
ありました! スタンウェイD型!
弾いてみるとやっぱり違う。
ホールというそれ専用につくられた空間にあるのだから、そのせいもあるだろうけど、
音が「ポーン!」というのだ。
「カーン!」でも「キーン!」でもない。
柔らかい音で、ちょっと木琴の音にも近い気がした(まったくの私見だね)。
それにこれは絶対気のせいだと思うのだが、他のピアノより鍵盤が1ミリぐらい細い気がした(でもこれはまったくありえないね!)
嬉しくなった私は、クラシックの楽譜だけを持参していたので、クラシックだけを弾くつもりでいたのに、思いつく限りのジャズも弾いてしまった。
なぜかというと、ペダルを使用した音も、もちろん美しいのだけれども、ペダルなしの素の音が他のピアノと比べようもなく、澄んで聞こえたからだ。
ちょうどおいしいお米を使ったごはんは、白ごはんが一番美味しいのと似ているかと思う。
たった30分だったけれども、それでも誰もいないホールという空間で、誰にも気をつかわず、じゃまされず、ピアノちゃんと一緒の時間は想像以上に楽しかった!
もうこの頃には、出かける前の億劫さ、面倒くささはすっかり忘れてしまっていた。
ありがとう、ピアノちゃん!!