「若草物語」はフランスでもアニメを放映していた
ウチでテレビがついているのは、午後7時のニュースのときの30分と、録画した映画を週一回みるときだけである。
そのためだけに、何インチか知らないが、どでかいテレビがあるのは不思議なのだが、いまさらどうしようもない。
で、どの映画を録画するかと、そのうちのどれを見るかは私に決定権がある(それだけ?)。
そして先日、夫が
「きょうは何を見るの?」と聞いた時、
私の日本語式の発音の「Little Women」という答えに、ちょっと不服そうな顔をした(だって若草物語じゃ、わからんでしょ!)。
おそらく「なんじゃらほい。何のことかわからん」と思ったのだろう。
ところが見終わったとき、おそらくそれなりに映画の出来に満足したのだろう。
「これはフランスでもアニメでやってたよ!
フランス語では『Les Quatre Filles du docteur March』(マーチ博士の4姉妹)というタイトルだったね!
僕はいっさいみたことなかったけど」
と言っていた。
なるほど、フランス語訳のほうがより原題に近い。
しかしいまさらながら、「若草物語」という日本語訳を考案した方は誰なのだろう?(すみません、まだ調べていません)。
その勇気、度胸にはまったく敬服させられる。
子ども向けのものしか読んでいない「若草物語」
私が映画の若草物語を見たのは、今回の1994年版が初めてである。
映像も脚本もとてもよかったので、かえってこれまでの過去のヴァージョンや小説のほうも読みたくなった。
初めてこの小説を読んだのは小学校2-3年生だっただろうか?
小説といっても、集英社からだしていた「世界少年少女名作全集」に収録されていたものを読んだのだから、おそらく子ども向けにリライトされたものだったのだろう。
子どもの私は、いきいきと描かれる4姉妹や少女漫画から抜け出たような貴公子、ローリーに夢中になった。
ところが成長するにつれて、「若草物語」の作者と「赤毛のアン」の作者のモンゴメリとがごっちゃになり、どちらも良妻賢母になることを推奨しているようなところが鼻につき、そのうちに忘れてしまったのである・・・
時代によって変遷するテーマ
なぜ私は「若草物語」から良妻賢母の匂いをかぎとっただろう?
おそらく母であるマーチ婦人が、北軍に従軍した夫の帰りを待ちながら、4人の娘を健気に育てるところからそう思ったのかもしれない。
しかし「若草物語」には、作者ルイーザ・メイ・オルコットがモデルである作家志望のジョーや、画家を夢見てヨーロッパで画の修行をする妹のエイミーも描かれているというのに?
どうもこのあたり、良妻賢母と女性の自立という2大テーマの味付けが、映画、アニメでは少しずつ、また時代によっても変化しているようなのだ。
1994年の映画ではフェミニズムの台頭もあり、登場人物に「コルセットはイヤだ」と言わせたり、ジョーが女性の参政権について男性の前で意見をいう場面も出てくる。
ベスのピアノでみんなが歌う「ひいらぎかざろう」
さて、映画中ででてきたお気に入りの場面。
ローリーがジョーに求愛する場面の脚本はよくできたものだ、と思った。
でも一応これ、音楽ブログのつもりなので、音楽に関係した場面を貼っておく。
3女、ベスのピアノにあわせてみんなで「ひいらぎかざろう」(Deck the Halls)を歌う場面。
いいなぁ、いいなぁ。
キャンドルがともされたピアノにあわせて親しい人たちとクリスマスキャロルを歌うのは、私の理想のクリスマスなのだ!