3人の先生からレッスンを受けたドビュッシーの「アラベスク1番」
今のところ、自分が弾けるクラシックピアノ曲で、「いちばん好きなピアノ曲は?」と聞かれたら、間違いなくドビュッシーの「アラベスク1番」と答えるだろう。
しかし大人になってから再開したピアノレッスンで、3人の先生からこの曲をレッスンしていただくとは思わなかった。
おまけに人様の前、ホールで弾くこと2回(本当は2020年の発表会でも弾く予定だったが、コロナで中止になった)。
別の言い方をすれば、3年超、習った曲のうちまともに弾けるのがこれだけということになるのだが、まぁそんなに悲観することはない、と自分に言い聞かせている。
だって3人の先生のレッスンポイントもそれぞれだしね。
最初の先生には冒頭2小節の特訓を受けた
30代からおよそ30年間、まともにピアノの練習をしていなかったので、レッスン再開時には「アラベスク1番」の左手アルペジオに一番苦労した。
なにせ指が動かないというよりも、固くて全然思い通りにならない。
まるで5本×2 の割りばしで弾け、と言われているようなものである。
その上、最初の先生が一番気にしていたのは、私が弾く冒頭2小節の3連符が均等でなかったことだった。
不思議に、タララ タララ タララ タララ が
ターララ タララ タララ ターララ とか
タッララ ターララ タララ タッラッラ みたいになってしまうのだ。
先生はタメ息をつきながら、
「最初だからね、それ目立つよね」
と言い、私にスタカートで弾く練習を提案したが、なかなか治らない(泣)。
それでも発表会でこれを弾くようにと言われたのだけれど、幸か不幸かコロナで2020年の発表会は中止!
2人目の先生からはミクロ的練習を勧められた
2人目の先生の頃になると、一応はざーっと弾けるようになっていた。
ただし以下の、天へも駆け上がってまた降りてくるような箇所は今でも苦手だ。
そしてざーっとは弾けても粗いので、片手練習やらメトロノームを使ったり、ペダルを使わずに弾いたり、いわば細かいところをさらっていくミクロ的練習を勧められた。
大雑把な私が一番苦手とするところである。
が、2021年の発表会はなんとか切り抜けた。
3人目の先生は井口版と安川版の違い
3人目の先生は今の先生だが、弾いている途中で、
「あれ、今のところ、ペダル記号はどうなっています?」
と聞かれることが2、3度あった。
先生は春秋社の井口版を使っていて、私が使っている安川版とではペダル記号が違っているところがあり、だいたい井口版のほうがペダルを継続するようだ。
私はシラーっと、
「あ、安川加寿子さんのではペダル踏み替えになっています。」
と言って格別気にしない。
理由は青柳いずみこ氏の手による「翼のはえた指―評伝安川加壽子」を読んで以来、私は安川加寿子氏のファンだからだ!
小川典子さんの動画がためになる!
それにしても最初この曲に取り組んだとき、ブーニンの演奏をイメージしたのはあまり良くなかった。
ブーニンの演奏自体は素晴らしいのだが、あのようにテンポをゆらす弾き方を初心者が真似しようとすると、だいたい結果はよくない。
だから、最初から下の小川典子さんの教育的動画を見ていたらなぁ、と思うのだが、ナニ、今からでも遅くはない。
これは本当にタメになる、と思う。