ほとんど半世紀ぶりの六甲山牧場
だんだん朝夕は涼しくなってきたことだし、久しぶりに戸外を思う存分歩いてみたい気分だったので、神戸市立六甲山牧場へいくことにした。
この六甲山牧場、ウチからはクルマで行けば約30分の距離のところにある。
ところが私たちはクルマなし生活を送っているので、とにかくバスで山を降り、電車、バス、ケーブルカーを乗り継いでまた別の山の峰に上ることになるから、計2時間半はかかる。
もちろんこの牧場には子どもの頃、何回かは学校の行事で行ったことはあるが、もう記憶はほとんどないに等しい。
だから関西にはまだ慣れていない夫ちゃんを引率し、スマホで路線情報を検索し、写真も撮りながら(彼はこのうちどれもやらない)、私は忙しい一日ガイドさんだったのだ。
ケーブルカーが満員だった理由
でかけたのは平日の午前。
ケーブルカーなんて誰もいないだろう、と思ったらえらい間違いでほとんど満席!
乗客は私ぐらいの年齢の女性グループも多く、「なんでやねん?」と思ったら、どうやら朝ドラ「らんまん」に出てくる牧野富太郎氏ゆかりの六甲山高山植物園に行くらしい。
みなさん賢く割引の効くクーポン券、周遊券などをお持ちであった。
安っぽい場内音楽に悶絶寸前
六甲山牧場へ行くにはケーブルカーの「山上駅」で下車してから、またバスに乗り換えるのだが、このなかには女性グループは当然いなかった。
同乗したのは中国人の若者グループで、まことに賑やか、はっきり言ってうるさいに近い。これがもし、言葉の内容がわかっていたらそうでもないのだろうか?
10分ほどの乗車で牧場に着いたが、入場口に近い馬舎のところからスピーカーで、実に安っぽいカントリーウエスタンががんがん鳴っており、私はもう、怒りで悶絶しそうになる。
別にカントリーウエスタンが悪いわけではない(まぁ、あんまり好きではないけど)。
ただ曲の作りが安っぽくて場末のスーパーマーケットにいる感がありありなのだ。
私はもう逃げるようにこのコーナーは走り歩きをした。
のどかで平和な羊さんたち、大好き
お馬さんに罪はないのだが、羊さんがたくさんいるところにくると、私の不快感はいっぺんに消えた。
あーなんと羊さんたちののどかで、平和なこと。癒されるわぁ~
みんなとても熱心に草を食べているのだが、
何を思ったのか、全速力で人間を追い越していく羊さんもいる。
背中痒い痒いをしている羊さんは数匹いた。
そして念願の羊さん撫で撫で。毛はしっかりとしていて剛毛である。
でも羊さんはあまり触られるのは好きではないようだ。私、セクハラしてる?
青い空と羊さん。
地面を見れば羊さんの落とし物でいっぱいなのだが、コーヒー豆をひとまわり大きくしたような形状なので、それほど気にならない。
もちろん場内は羊ばかりでなく、牛さんもいる。
ただ牛さんには寄ってたかるハエがものすごく、牛さんはそのたびごとにしっぽで追い払っている。これって相当のストレスではないのか?
バーベキューはちょっと残念だった
お昼はバーベキューを期待していたのだが、私が勝手に予想していた野外バーベキューではなかった。
ひと昔前の、昭和っぽい食堂みたいなところで食べたのだが、価格は安くなく、量も多くない。
おみやげとしてこの牧場でつくったチーズやお菓子も売っているのだが、これも高い。
下のカマンベールチーズで¥1180,たか! (けど食べてみたらおいしかった)。
ミルクジャム¥630。
入場者はファミリーか若いカップルだけ?
平日にもかかわらず、けっこう入場客は多かったので、牧場にとっては嬉しい話だろう。
だが気がついたのだが、ここを訪れるのはファミリーか若いカップルしかいなさそうだ(土日祝は違うかもしれないが)。
女性グループはまったくいないし、私たちのようなシニアカップルは珍しいぐらいだと思う。
どうしてだろう?
考えたところ、場内は羊さんが好むよう、丘の起伏がはげしい。
だから足元に不安材料があるシニアには向かないのかもしれない、と仮説を立てた。
しかし、自分ちがハイキングコースにあるせいで、ハイキングを愛好するシニア女性は数多く存在することを実感している。
彼女たちはハイキングは楽しんでも、羊さん撫で撫ではしたくないのか?
よくわからない。
ただ私は長年親しんできた六甲山牧場が、いつまでも存続するように、年齢、性別を問わず多くの人に訪れてほしいのだ。
あ、それから入場料は大人600円。
これって絶対安いと思う。
動物たちと1日遊べるなら1000円でも文句は言わない。