先生宅にはもう迷わないはずだった
体験レッスンから数えると、先日のクラシックピアノ教室のレッスンで先生宅にお伺いするのは、これで3回目となる。
3回目となるといくら方向音痴の私でも迷うことはないだろう。
JRの駅を下車してからのんびり歩くと10数分くらいかかり、付近は住宅街とはいえ、ウチの地区のような家がポツン、ポツンと建っている区域ではないので、道路を曲がる、折れる際にはちょっと注意が必要だ。
でももう、下見のときから何回も確認した。
この広い道路を南下して、保育園の角を右に曲がり、100メートルぐらい進むと、土塀の続くツツジが見事な邸宅がある。先生のお宅はこのお向かいである(もちろん先生宅も立派である)。
早く着きそうなので時間調整をした
ここで、ちょっと早く到着しそうなので、周辺をぐるっと一周することにした。
近所には中学校があるみたいなので、しばし中学校の門越しに校庭を眺める。
元気のいい中学生がたくさんいるらしく、校庭を囲む柵には生徒たちの水彩画作品が掲示されている。
「ほほーーーーッ」と思いながら、さも保護者のような顔をして、それらを眺めながら時計をみるとレッスンの10分前だった。
ところで、個人宅がピアノ教室の場合、何分前、あるいは時間ちょうどに到着するのがいいのだろうか?
レッスンには何分前に到着すべきか?
興味深い記事をネットで見つけたので貼ってみた。
これによると、10分前では早すぎ、5分前なら許容範囲、2-3分前ならちょうどよい、と書いてある。
わぁーーーー細かいなぁーーー
なるほど、とは思うが、例えば下車駅から先生宅が徒歩10分だとしても、信号にひっかかるときもあるし、天気が悪くて歩調がゆっくりなときもあるし、電気・ガス工事をしていて道路を迂回しなければならないときもあるし、毎回ちょうど2-3分前に到着するのは、それほど簡単ではないだろう。
その時間調整はどこでするのか?
そこまでは個々のケースで違うせいか、教えてくれない。
到着したと思ったら先生宅がない!
ハナシが前後するが、私は先生宅は土塀が続く邸宅のお向かいだと記憶していた。
なので中学校までぐるりと回ってから邸宅のお向かいに着いたのだが、
先生宅がない!!この家は先生宅じゃない!!
もう、焦った!!
慌てて、スマホに登録した先生の電話番号から住所➡地図に移る。
確かに今、このへんにいるねんけど???
必死でこの界隈を走り回ってようやく先生宅に到着したのだが、あとで冷静になって考えてみると、この土塀邸宅はこの地区全体を囲むようにコの字型に建てられている。
したがって、先日私が、先生宅は土塀邸宅の真下、つまり南だと思っていたのは、実は勘違いで、先生宅は土塀邸宅の西に位置するのだった。
あり得ない間違いである。
この阪神間、六甲山が見えるほうが北に決まっている。
北と東を間違える神戸っ子なんかいやしない。
「いやその、いっぱい家が建ってるから、山がようみえへんかったワ」というのが私の心の内の弁解である。
ドアは開けられるのを待つ、自分で開ける?
実は先生宅には2-3分遅れて到着した。
到着したときにピアノの音が聞こえたので、「あ、先生だな」と思った。
たぶん、「あの人遅刻かしら?」と思いながら弾かれていたのかもしれない。
インターホンを押し、名前を告げ、ドアが開けられるのを待つこと数分。
この間も迷ってしまう。
私がくることはわかっているのだから、わざわざドアを開けてもらうのを待っているよりも、自分からドアを開けながら、
「先生、こんにちはーー ねむいです! 遅くなってすみません!」
と口上を述べたほうがいいのだろうか? しかしまだその勇気はない。
しかし、しょうもないことをあれこれ考えているな、と自分でも思う。
ステージにあがったりするのには全然平気なくせに、こんなことで迷うなんていったいいくつになったのだ??