夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

ゴスペルが似合わなくてボツになったCome Sunday

「Come Sunday」は先生が指定した

9月のアンサンブル練習会も無事終わり、今年は残すところ11月のお教室発表会と12月のクリスマスパーティー発表会。

さあて曲目は何にするか悩みどころだが、ジャズピアノのレッスンでは先生がすべて提案されるので、あとはこちらでできるかどうか・・・

先生はこういうとき、いつもたくさん持っている手書きのコード譜を探しながら、

「ゆめこちゃんか、ゆめこちゃんにはなぁ~」とつぶやきながら、おもむろに何枚かを引っ張り出し、「これなんか、どう?」と言いながらさらさらっと弾いてくださる。

私は「これはイヤです」とはとても言えない。

だいたいほとんどが知らない曲ばっかりだし。

私は「ハイ、わかりました」と言い、家に帰ってからYouTubeでマネのできそうなヴァージョンを探しまくる。

今回の「Come Sunday」も最初に聞いた時はぜんぜんピンとこず、「こんなんできるのかなぁ~ やれやれ」ぐらいにしか思わなかった。

デューク・エリントンにはじまりマヘリア・ジャクソンで花開いた

ところが家へ帰って、この曲の成り立ちや歌詞を読んでみたら、絶対にこの曲をやりたくなった。そのわけは・・・

Come Sunday」は今や讃美歌として教会でも多く歌われているそうだが、もともとはデューク・エリントンが1943年に発表した、アメリカ黒人史を語る壮大な組曲の一部。

ところが発表当時はクラシックの批評家、ジャズの批評家双方から批判を受け、まったく売れなかったのだが、1958年にゴスペルの女王、マヘリア・ジャクソンがレコーディングしてから、風向きが一転。

全米で始まりだした黒人の公民権運動の拡がりとあいまって、「Come Sunday」は黒人全体を励まし、慰め、闘いに勇気を添える歌となったらしい。

この「Come Sunday」で気に入ったところはここ!

・・・

He'll give peace and confort

To every troubled mind

Come Sunday, oh, come Sunday

That's the day

神様はすべての苦しむ人々に

平和と慰めを与えてくださる

日曜日、ああ日曜日

それこそ我らが待ち望む日

Up from dawn till sunset

Man work hard all day

Come Sunday, oh, come Sunday

That's the day

夜明けから日没まで

一日中辛い労働に従事する我ら

日曜日、ああ日曜日

それこそ我らが待ち望む日

当時の綿花摘み作業の厳しさに比べるべくもないが、私たちだってこの、日曜のところを週末に置き換えて、ひたすら週末をまちわびながら働いている人々が多数いるわけだよね!

そう思えばこのゴスペルソングは世界中の、エラい目にあって大変な日々を過ごしている労働者全員に共通点があると思った私は、それなりに練習していったのだが・・・

私が練習していったスタイルは下記のチュートリアル動画を参考にしたもの。

全部このとおりをできるところまで暗譜していこうか、と思ったが時間が足りなくて諦めた。

www.youtube.com

ゴスペルは私には似合わない

ところが先生は私の演奏を聞いたあと、

「これなぁ~ ゴスペルやろ、黒人霊歌やろ、なんかゆめこちゃんには合わへんなぁ」

と言い出した。

何も日本人だから合わない、という意味ではないと思うけど?

だって日本人でも綾戸智恵さんみたいに、ゴスペル専門のかたもいるし?

ようするに、私の雰囲気、ピアノのスタイル(シャンパンミュージックっぽく軽い?)には全然似合わないことを、改めて認識したらしいのだ。

「もうこれはヤメよ、なんかほかのんにしよう!」

そうですか、先生。

私もこれは聞くだけのほうがいいような気がします。

ちょっと残念な気もするけれど・・・

それではマヘリア・ジャクソンの圧倒的な歌声をぜひお聞きください!

マヘリア・ジャクソンが歌う「Come Sunday」

www.youtube.com