参加することに意義のあるバッハコンクール
きょうは私にとって、最近聞かれないオリンピックのスローガンみたいな「参加することに意義のある」バッハコンクール。
当日の演奏ももろろんだが、朝早く起きること、忘れ物がないようにすること、時間通りに会場に着くこと、が私にとっての3大ハードルだろう。
通常、朝は9時ごろまで寝ているので、きょうはあらかじめ夫ちゃんに断って、7:15に起床アラームを設定していた。
朝起きると、室外温度4度(兵庫県南部でも山中は寒い)、室内温度17度。
私にとってはキビしい温度である。
エアコンをつけ、そそくさとトーストを食べ、就寝中の夫ちゃんには申し訳ないが30分ほどピアノ練習。
忘れ物がないように、ドレス、パンプス、参加票、採点表を送ってもらうレターパックを確認し、8:50に家を出る。
つくづく
「あーもういややな、なんでこんなしんどいことをしてるんやろ。
来年はもうやめとこ」
と思うのだが、毎度のことで、たいていあとになればケロッと忘れているのだけれど。
審査員の先生は何を基準に採点されるのだろう
それでも今年の会場は駅近なのでよかった。
受付の30分前には会場に到着し、トイレでドレスに着替えた(更衣室はなし、と明記されていた)。
トイレに設置されているスピーカーから、中学生が課題曲のインヴェンションを弾いているのが聞こえるが、皆、上手なこと!
「あ、あれ8番、今度は13番」
自分も知っているメロディーなのでよくわかるのだが、誰もミスをせず、もちろん止まったり、弾きなおしたりする人もいない。
トイレからでてから、ホールに滑り込み、高校生や大学生の演奏を聴くが、どの人もまさに甲乙つけがたくすごい!
いったい審査員の先生は何を基準に採点されるのだろう、と不思議に思う。
私なら全員、本選行きにする。
そしてだんだん、「私はここへ何をしにきたのだろう?」という気になってきた。
普段着平均律の彼女はアンビリーバブルだった
さて一般Aの時間帯になり、舞台袖に移る。
私の順番は2番目である。
1番目のかたは、どちらかといえば普段着っぽいセーターとスカートに、カジュアルシューズだった。
そして弾いたのは平均律だったのだが、
めちゃめちゃうまい!!
アンビリーバブルである!!
ただ、タイムキーパーのスタッフのかたが困り顔で別のスタッフに聞いていた。
「この曲、どう弾いても8分は超えるけど、どうしょう?」
たしか制限時間は5分のはずだったと思う。
先輩らしきスタッフが何事か指図したので、彼女はきっかり5分で「止めてください」のベルを鳴らしたようだ(でもこれで減点になるとは思わないが)。
さて私の演奏はどうだったか?
- 音抜けが2-3か所あった。
- 最初のプレリュードのテンポが速すぎた。
- 次のアルマンドのテンポは遅すぎた。
終わってから逃げるように、そそくさと荷物をもって退席したが、スピーカーから聞こえてくる次の人、また次の人の流麗な調べが私の耳を刺激し、「あー、私は1年たってもあんまり上達してないなぁ」と落ち込むのだった。
さよならバッハコンクール
語学の資格試験のときがそうだったのだが、「これはボーダーラインかな?」と思ったときには、試験後には必ず解答をもらい、家に帰ってから自己採点をし、一喜一憂していた。
しかしはなから「きょうはあかんかった」と思ったときは、解答をもらっても、長い間かばんのなかに突っ込んだままであった。
要するに不出来な自分と向き合う勇気がないのである。
これをピアノコンクールにあてはめると同じことで、難易度がわからなかった昨年は、Webで発表される結果を心待ちにしていた。
ところが今年はもう壁の高さがわかっているので、わざわざWebにアクセスする気はない。
採点表が郵送で送られてくるのを待つのみである。
さよならバッハコンクール(涙)
また来年キミに会いにいくかどうかは今は聞かないで・・・