バッハコンクールの採点表が早くも到着
きょうの昼頃、ふと郵便箱をのぞいてみると、レターパックが投函されていた。
あれれ?と思って取り出してみると、なんときのう受けたばかりのバッハコンクールの採点表である。
こんなはよういらんわ!
もっと忘れたころに送ってほしかった!
たしか去年は、受験日の3-5日後に到着したはずである。
去年は「共催」団体としてヤマハの名前があったが、今年はナントカミュージックの名前になっている。
ヤマハさんが事務処理に面倒くさくなって他に丸投げしたら、事務効率が良くなったのかも?
採点は辛いがコメントは甘い例
送られてきた採点表のひとつに7.3というのがあり、これを見たときは
がぁ~~ん
だった。
だって去年の最低点でも7.9なのだ。
しかしコメント欄をみると、どこが悪いかは書かれていない。
むしろいいとこだらけである。
一つ一つの音を丁寧に扱って誠実なアプローチでした。横の流れの方向性と、音のエネルギーの高低差がもっと明確に表現できるとよいでしょう(プレリュード)
音の抑揚の変化をさらに表現できるよう、積極的なアプローチを心掛けてみてください(アルマンド)
ということは、横の流れの方向性と、音のエネルギーの高低差が全然表現できていないし、音の抑揚の変化も表現しようとするアプローチが消極的すぎる、とおっしゃりたいのか?
受験者を傷つけないように、というご配慮はまことにありがたいが、こちらとしては真実を知ろうと思えば、ことばの読み替えが必要である。
田村響氏の採点表は図入りコメントだった
反対に、予選通過ラインの8.13を上回る8.2をつけてくれた審査員、田村響氏のコメントは建設的であった。
氏は簡単ではあるが、ピアノを弾いている人間の図を書いて説明してくれたのである!
左の図に書かれた人間は、肩から手が伸びているかのようで、肩、指先、椅子の座面を結ぶと直角三角形になる。そしてそこには△と書かれている。
右の図に書かれた人間は、お腹のあたりから手が伸びているようで、お腹と指先のラインが椅子の座面と平行になっている。そして〇と書かれている。
説明文はこうだ。
胸の位置より低いお腹の少し上の位置を意識して、横につながっていくイメージで音を紡げるとよさそうです。
頭の中ももっと広く横に周囲に・・・
その空間のなかでお腹の位置とリンクして弾いてみると良さそうです・・・
私はシュローダーのように弾いているらしい
ウーン、若干哲学的ではあるが、不思議とこれまでジャズピアノの先生に言われてきたことと通じるものがある!
そしてこの△印がついている図をみた夫ちゃんが言った。
「そうだ、ゆめちゃんはいつもこんな風に弾いてるよ!
まるで『チャーリー・ブラウンとスヌーピー』にでてくるシュローダーみたいに、肩から手が出てピアノにおおいかぶさってるんだ!」
えーーーーー!
私、そんな恰好で弾いてる???
ロン=ティボーの覇者、田村響氏
ところで私はこれまで知らなかったのだが、田村響氏は2007年、弱冠20歳でロン=ティボー国際コンクールのピアノ部門1位に輝いている。
そしてWikiには、氏のことばとして以下が掲載されているが、まさに私にむかって言われているような気さえした。
コンクールは目安にすぎない
勉強の一つの目標としてコンクールに挑戦するのはよいことだが、結果は運。一喜一憂する必要はない。演奏家にならなくとも、音楽を心から楽しんで応援できる、よい聴衆に育てたい
こんなすばらしいピアニスト、指導者から図入りのおことばをちょうだいし、もう感謝、感激!
やっと今年もバッハコンクールに参加して本当に良かった!と思えるようになった。
でも来年はどうするかわからないけどね。