私たちには残念な映画が続いた週末
私たちは平日、それぞれに栄養補給のためだけの食事を摂っているが、週末の土日のいずれかは、時間をかけてつくったランチを食べながら、録画しておいた映画を観るのがささやかな娯楽である。
先週、今週と観た映画はそれぞれ「シン・ゴジラ」とアニメ映画の「星を追う子ども」だった。
「シン・ゴジラ」は私がNHK BSで放映されていたものを録画しておいたのだが、新海誠監督の「星を追う子ども」は、夫ちゃんがアニメ好きの知り合いからDVDをもらったらしい。
「シン・ゴジラ」はロードショーされていた当時は、とても評判がよかったのではないか?
いや、今も邦画を代表する歴史的な映画と位置づけされているのかもしれない。
出演している俳優さんでは、あの頃人気絶頂だった石原さとみが流暢な英語を操り、さらに好感度が増したように記憶している。
一方、新海監督の作品はこれまでに「秒速5センチメートル」「君の名は」を見て、ふたりとも、「よかったよね~」と満足していたと思う。
ところが今回は見ていた1時間30分は苦痛でしかない時間となった。
「シン・ゴジラ」のせりふは何とかならなかったのか?
まず「シン・ゴジラ」なのだが、私としては5点中3点をあげてもいいと思うくらい、それほど退屈しなかったのだ。
映像を見ていると「ああ、3.11のときはこうだったかなぁ」とか「この女優さんは小池百合子をイメージしているのかなぁ」とか「石原さとみは英語がうまいなぁ」とかみどころはまあまあある。
ところが夫ちゃんにはまったく面白くなかったらしい。
まず普通の日本語会話なら彼は問題なく聞き取れるのに、この映画では、揃いも揃ってみな、役者さんが一本調子でせりふを読み上げるがごとくなので、よく聞き取れなかったらしい。
確かに私が聞いていても、まるで16分音符を同じ高さと長さで発声しているかのようで、機械音声とあまり変わらないように思えた。
それからゴジラの模型(?)がしょぼかったこと。
石原さとみ役の女性が将来のプレジデント候補とは笑わせる、と本気で嗤っていたし、
最後には「この映画は、日本政府が危機管理に対応できることを謳ったプロパガンダ映画だ!」
と叫んでいた。
確かに、日本人以外にはあまり面白みがない映画なのかもしれない。
「星を追う子ども」はワースト1
しかし今日見たアニメ映画の「星を追う子ども」はこれまで観た映画のなかでもワースト1だ、と言えよう。
画はきれいなことは認める。
しかしこれ、ストーリーはあるのか?
AIに作らせたほうがまだよっぽどましなものができたと思う。
画面を前に、しかしせっかく夫ちゃんが知り合いからもらったDVDだから、と私はひたすら耐えていた。
夫ちゃんは、と言えばほとんど寝ていたらしい。
が、彼はいびきをかかないので、寝ていたとは気がつかなかった。
一方、夫ちゃんにしたら私が身じろぎもしないので、熱心に見ていたと思ったらしい。
難行苦行の116分が終わった後、私はこの映画のレビューを初めて調べてみた。
するとGoogleユーザーの78%がこの映画を高評価、とある。
78%というと、10人中7、8人が見終わった後、「ああ、面白かったね!」と言い合ったことになる。
私は腰を抜かさんばかりに驚いた。
しかしより丁寧に見ていくと、「アニメ史上最大の駄作」「ひどすぎるね」というのもちらほら見かける。
よかった、何もアタマがおかしい(?)のは私たちだけでなさそうなのである。
映画館に行く勇気がない
今回は「あーー、116分損した」だけで終わるが、これがもし映画館に行っていたとなると、どうなるのだろう?
割引がある曜日とか、シニア優遇とかは別にして、たぶん2000円ぐらいは払うことになるのだろう。
そしてもし見始めた映画が面白くなかったら?
払ったおカネがもったいないから我慢して、椅子に縛られたかのように、最後まで見るか?
それとも「損切り」で途中で出てしまうか?
実に悩ましいところである。
そう思うと、もう映画館なんか行けない。
最後に映画館で映画を観たのはいつだったのだろうか?
昔は映画館では、予告編からワクワクして映画が始まるのを待っていたのに、もうあのワクワク感を味わうことはないのかもしれない。
ああ、淋しい!!