夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

トリルがうまいタモリさんはキース・ジャレットそっくりだ

バロックをきれいに弾くにはトリルが大きな壁

バロック音楽を鍵盤楽器で弾く場合、トリルのうまさが鍵になると思う。

あの「ティラティラティラ~~」という音が、鈴がふるような澄んだ音がだせるかどうかはたぶん、プロの方でも簡単ではないのではないか。

これがなんとなく重苦しくて、ゴリゴリゴリ~~に近いようだったら、なんかちがうなぁという気がする。

ましてや私のトリルのように、ぐちゃっとおしつぶしたような音になったり、鳴るべき音が鳴らなかったりして「ティラ (無音)ティ ラ」だったらほんとうに情けない。

もちろん、いろいろ工夫をしているよ。

手首をあげたり下げたり、指をまげたり伸ばしたり、手のひらを反す以外のことぐらいならなんだってやってみている。

でも成果はかんばしくない。

またショパンコンクール受賞ピアニストの横山幸雄氏が、トリルについて以下のように述べておられるので、最近はできるだけ1と3の指を使って弾くようにしている。

(中略)また、トリルにはさまざまな指使いが考えられるが、原則的に白鍵二つで弾くトリルは、「2323」という指使いはしない。それは一見弾きやすく思えるかもしれないが、実はいろいろな音色のコントロールが非常に難しい。

この出典は以下の記事より。

www.chopin.co.jp

タモリさんの「やってる風ピアノ」

ところがタモリさんの「やってる風ピアノ」という動画をみて驚いた(タモリさんがずいぶんお若いときの芸らしいけれど)。

タモリさんは2と3の指を使って器用に長いトリルを弾いて、会場のみなさんから拍手を浴びている(0:57~あたり)。

www.youtube.com

ひょっとして指芸というのは(そんなことばは聞いたこともないが)、いわゆる手先の器用さと関係があるのか?

そう言えば、クラシックピアノの先生が、「外科医のかたは手術などで細かい作業に慣れているので、指のコントロールが上手」のようなことを言っていた。

私? はっきり言って不器用です。昔から・・・

ピアノを「やってる風」に弾くコツ

またトリルとは直接関係がないが、タモリさんは「やってる風」にみえるコツは黒鍵を使わないことだ、といっている。

これはなぜだろう?

人間のそれぞれの指の長さが違うことから、黒鍵が多い調のほうが弾きやすいという説もあるのに?

でもまったくピアノが弾けない人が弾こうとする場合、幅の狭い黒鍵は音をはずすリスクがあるよね。

それとタモリさんはここでは言っていないが、彼は指くぐりや指またぎをやっていない。

これをやろうとすると、素人であることがすぐに露見するからではないだろうか。

逆に言えば、指くぐりや指またぎはピアノの技術のなかで、やっぱりむずかしいのだ。

それともうひとつ。

楽譜をみて「これを弾きなさい」という命令のもとに弾くのと、自分の好きなことをなんでもいいから弾くのとでは、脳の命令回路上、違うと思う。

自分の脳の命令にだけ従って弾くほうが、圧倒的にやさしいのだ。

私だってジャズを弾くときは、ミスタッチはあまりしない。

ネタを提供した(?)キース・ジャレット

さすがタモリさんだけのことはあって、思い入れたっぷりにピアノを弾く姿勢はビル・エヴァンスにも、キース・ジャレットにも似ている。

そして音の使い方はキース・ジャレットにもチック・コリアにも似ていないか?

それではタモリさんにネタを提供した(?)キース・ジャレットのソロで「Over the Rainbow(虹の彼方に)」を聴いて、というか見てみよう!

www.youtube.com