「早い、うまい、安い」はどこからきたか?
「早い、うまい、安い」というキャッチコピーがある。
私はこれを、廉価で美味しいものを食べさせる大衆食堂の三原則みたいなものだと思っていたが、違っていたようだ。
これは牛丼の吉野家の創業者が1970年代に考え出したキャッチコピーらしい。
その後、吉野家の経営不振を経て、2000年代から「うまい、安い、早い」に順番が替わったそうだが、いいたいことの本質は変わらないのではないか、と思う。
そして私はこの一か月でクラシックピアノの体験レッスンを3か所で受けたのだが、結局、この吉野家のキャッチコピーみたいな三原則をあてはめて、これからお世話になる先生を決めてしまった。
しかし「早い」だけはどうにもあてはまらなかったので、私のピアノ教室3原則は、いわば「安い!うまい!近い!」ということになる。
個人ピアノ教室と音楽教室の一騎打ち
体験レッスンを受けたのは3か所だったのだが、内訳でいうと、個人1:音楽教室2なので、事実上、個人ピアノ教室と音楽教室の一騎打ちということになる。
前回、個人ピアノ教室での先生のスケジュール感覚があわなかったため、今回は音楽教室の勝ち!になると思われたが、やっぱり今度も個人のほうが強かった。
第一要因はレッスン料である。
キャッチコピーでいえば「安い!」にあたる。
音楽教室は企業としての運営費・人件費・広告費もろもろがかかるので、ある程度レッスン料が高くなるのは致し方ない、と思っていたが、それでも高いところでは30%-50%も個人に比べて高くなる。
それに音楽教室の教室はだいたい狭く、グランドピアノ2台というところはほとんどないのではないか。
初心者ならピアノは1台でかまわないだろうが、それ以上のレベルになると、やはり先生自身が弾いて見せる教え方が必要になってくると思う。
うまい!先生が好き
次に「うまい!」は教え方のうまさでもあるし、先生じたいの演奏のうまさでもあると思う。
教え方については、実は私にはよくわからない。
たとえば子ども相手に教えるのが上手、というのはわかる。
しかし大人相手に教え方上手、というのはどういうことなんだろう?
私についていえば、私が呈した疑問、質問に「論理的、かつ明晰に」答えられるということか?
これでいくと私のジャズピアノの先生は、時々何をいってるのかさっぱりわからん、のだから教え方下手ということになるのか?
でも私はこの先生がとても気に入っているよ。
それから先生じたいの演奏については、別に先生は上手である必要はない、と考える向きもあると思う。
しかし私は上手なひとが好きだなぁ。
もっと言えば、難関の音大出身のひとが好きだなぁ。
クラシック音楽についてのみ、学歴偏重主義なのだ。
なんでか知らんけど。
そして演奏活動をしてるひとが好きだなぁ。尊敬してしまう。
「近い!」のはたまたまだった
あとは「近い!」
まぁ、これはどうでもよかった利点である。
音楽教室に強みがあるとすれば地の利であろう。
みんな忙しいから、自分の職場、生活圏、乗換駅、買い物に近いところのほうが便利でありがたいのだ。
今回選んだ先生のレッスンスタジオが、私の自宅から比較的近かったのは、たまたまで、他の人にとってはそれほど便利な場所ではない。
選んだ先生から感謝される
いちばんの懸念材料は選んだ先生がレッスン、演奏活動、ご家庭のことと大変忙しそうなので、希望のレッスン予約がとれるかどうかなのだが、これはもうやってみるしかないね。
先生は
「スケジュール管理はしっかりやっています」
と言っていたし。
そして入会希望を伝えるメールを送ったあと、先生からの返信には
「ご入会いただけるとのこと、心より感謝いたします」
とあった。
え!? 私、感謝されるようなこと何にもしてへんよ!
けれどそういわれると、嬉し恥ずかしやわぁ。