夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

私の知らなかったバッハ~ザ・プロファイラーをみて

NHK「ザ・プロファイラー バッハの壮絶人生」より

NHK「ザ・プロファイラー ”音楽の父” バッハの壮絶人生」

私はこれまでNHKの「ザ・プロファイラー」という番組を見たことがなかった。

したがってこの番組でバッハを取り扱っているのを知ったのは、たまたま偶然である。

やっぱり神様っているんだよね!?

私がバッハ大先生が好きだ!と言っていながら、その人となりはほとんど何にも知らずにきたものだから、神様が「これならわかりやすいから、ちと勉強せい!」と言ってくれたに違いない。

それほど私はバッハの人生について何も知らなかった。

この番組を見るまで知っていたことと言えば、音楽的功績は別として、

大変な子だくさんだったこと。

愛妻家だったこと。

ドイツから出たことがなかったこと。

ぐらいか? だからあまりドラマチックな人生ではないと思い込んでいたみたいなのだ。

だからNHKのこの番組のタイトルは「バッハの壮絶人生」となっているから、びっくりした。

順風満帆で幸福な人生を送ったに違いないバッハの、どこが壮絶やねん!

www.nhk.jp

山あり谷ありのバッハの人生

誰の人生も苦労多きものだが、バッハも例外ではなく、山あり谷ありだった。

以下のことはWikiにも書いてあるから、普通に知られた事実なのだろうが、私はまったく知らなかった。

  • 9-10歳で早くも孤児となり、兄に引き取られて育った。
  • 兄が所蔵している楽譜を黙って拝借し、月明りの下で写譜した。
  • 大学を出ていなかったため、ライプチヒでの昇進で不利となった。
  • 教会や宮廷でさまざまな妬みにあうなど迫害された。
  • 晩年は白内障に悩み、手術を受けるが結果は思わしくなく、口述で作曲を続ける

などなど苦労話は相当多く、さしもの「音楽界の父」も、人間関係には相当神経をすり減らしたようである。

にもかかわらず、生涯で1000曲以上もの楽曲を残したということは、逆境を撥ね退けてこそ燃えるタイプなのかもしれないね。

だから壮絶人生、ということか。

誰でも私のように努力をしたら、私のようになれますよ

バッハは作曲家としてより、オルガン等の鍵盤奏者として名を馳せたそうで、彼の卓越した演奏能力に感激した人に、

「誰でも私のように努力をしたら、私のようになれますよ」

と言っていたそうである。

そこでこの番組のゲスト、古坂大魔王

「これって大谷翔平イチローもそう言いますよね!」

と言っていた。そうなの? 知らなかった。

たぶん、バッハも大谷翔平イチローも謙遜のつもりで言っているのかもしれないが、私はちょっとどうかな~と思わざるをえない。

だって音楽やスポーツに卓越した才能を発揮する遺伝子を、彼らは祖先様から受け継いでいるのだろうからね。

私としては、

「祖先様のおかげです」

と十字を切るか、手をあわせてほしかった。

でないと努力しても努力しても結果が出ず、落ち込んでしまうメンタルの弱い人が可哀そうだから。

当時としては長生きしたバッハ

バッハは多くの子どもを残し、65歳で病のため死去した。

31歳、35歳、39歳で亡くなった、それぞれシューベルトモーツァルトショパンと比べると約2倍の長さの人生である。

生きた時代が17-18世紀だったことを考えると、それだけ頑健な体にも恵まれていたとは言えないか。

やっぱり健康で、長生きしたものが最後に笑うのだ(現代は長生きが当たり前になって、ちょっと事情は異なるが)

やっぱり私には、バッハの人生は悲壮感が漂う「壮絶人生」というよりも「円満人生」が似合っている気がする。