バーナムはハノンよりやさしいかもしれない
今のクラシックピアノの先生に習うようになってから始めたバーナムピアノテクニック2は、決して難しいものではない。
どちらかと言えばハノンのほうが難しくないか?
しかしバーナムをやるようになってから、ハノンの欠点がわかるようになってきた。
専門家たちがよく言うように、ハノン1-31では白鍵しかでてこないので、これは大きな欠点だと思う。
白鍵がないということは、つまり白鍵と黒鍵の高低差に慣れるチャンスがない、だよね。
いわば、階段や段差がなく、平地ばかり歩くウォーキングにおいて、負荷はあまりかからないのと似ている。
それならば移調すればいいのではないか、とかつての私も思いついたのだが、移調をしたとしても、指くぐりや指またぎがなく、手のポジションも不動、かつ固定である。
よって、ハノンはイマイチかなぁ、と思うのだ。
クラシックでの移調の必要性がわからない
そのハノンより易しそうなバーナムなのだが、先生はほとんどすべての練習曲で移調を要求するのだ。
例えばきょうのレッスンでは、下記をF(へ長調)で弾きなさいと言われ、ふだん練習しているにもかかわらず、1発でクリアできなかった(泣)
でもどうしてクラシックで移調が必要なのだろう。
ジャズでは移調というスキルはなかば必要不可欠なのだが、クラシックでは曲と調性はセットになっているから必要とは思えない(私には)。
だってショパンの「別れの曲」はたしかホ長調に決まっていて、それを
なんて、ありえないでしょ?
この「どうしてクラシックに移調が必要か?」という私の問いに対し、先生の答えは、
調性への感覚を養うために必要ということだった。
ソがドになる世界へすぐに行ける子どもたち
先生は小さな子供さんにも、簡単なフレーズから移調の練習をさせるそうだ。
もっとも小さな子供にナニナニ調といってもわからないので、
「さあ、こんどはソの世界へ行ってみよう!
ソの世界ではドがソになるんだよ!」
と教えるそうである。
そうすると、今までドレミファソラシドと弾いていた子どもが、感のいい子であると、
ソラシドレミ#ファソ
とすぐ弾くそうである。
ただし、感の鈍い子は
ソラシドレミファソ
とファを黒鍵で弾かないで、「できた! 全然気持ち悪くない」と平然としているそうである。
子どもの感性がうらやましい!
ここで私は自分が小さかった時、感がよかったのか鈍かったのか、さっぱり自信がなくなった。
しかし実際に感のいい子は存在していて、その子たちは教えられなくてもシとドのあいだはドとレのあいだと違う、ということがわかっているのだ。
それらは音を聴いて判断しているのか?
白鍵と黒鍵を眺めているうちに、自然とひらめくのか?
私にはわからない。
かたや私は、といえば、
「ソがドになるということは、5度上。
ということはト長調の5番目の音はソ・ラ・シ・ド・レ!」
となかば足し算しているのだ。
そしてもともと算数に弱いから、この簡単な足し算さえ間違うことがある。
まったくソがドになる世界へ一瞬にして行ける子どもが羨ましい!
それからもう一つ。
移調を勉強すると、
「譜読みがスピードアップする」
とのことである。
私は譜読みが嫌いである。
嫌いな理由は、アタマではわかっていても、指がその通りに動いてくれないからなのだが、それと移調とどういう関係があるのか、今はさっぱりわからない。
いつかハタと膝を打つ、というか、目からウロコで開眼する日を待つのみだ。