森本麻衣さんが説いてくれたスケールとアルペジオの大切さ
今から3年ちょっと前ほど、退職を目前に控えたおり、クラシックピアノのレッスンの再開を思い立った私はその準備として、いろいろなかたのYouTubeでのピアノレッスン動画を視聴していた。
なかでも森本麻衣さんの動画にはずいぶんお世話になった。全部を視聴したわけではないが、見る動画、見る動画について新鮮なオドロキを感じ、いったいクラシックピアノを習いに行っていた子ども時代は何を習っていたのだろうと思うほどだった。
その動画のひとつに、森本さんがスケールとアルペジオの練習の大切さを説いたものがあり、「世の中の曲はスケールとアルペジオの応用で成り立っている」ということばには「その通りやん!」とショックを受けたものである。
以来、ハノンのなかにはいっているスケールとアルペジオの練習を日課としていたこともあったが、いかんせんあまり面白くないので、後回しとなる。後回しになると、やらない日が普通になり、そして忘れていくのである。そういうわけで、最近ではスケールとアルペジオにはとんとごぶさたしていた。
ところが、これから受けようとしている「英国王立音楽検定」ではスケールを暗譜で弾く科目がある。きゃー!どないしょう! 試験になると急に慌ててアドレナリンが分泌されるのが私の悲しき習性なのである。
英国王立音楽検定を目指してスケールをやる
さあ、これからはふたたびスケールをやるぞ!(アルペジオは試験にでないからやらない)
意気込んだが、スケールだけのためにハノンの本を開くのが面倒くさくてたまらない。しかも本はいくら真ん中をギュっと押さえても、じわーんとページが閉じてくる。これがなぜかすごいストレスである。クリップで押さえればいいかもしれないが、ページをめくる度にクリップを付けなおすもの面倒なのだ。
スケールのコピーをとるとA4で12枚
それでいつも他の楽譜でやるようにA4コピーをとって、じゃばらになるように、各ページの長辺をメンディングテープで貼った。12調あるから枚数は12枚となり、当然昔の巻物のように横にながーくなる。
譜面台に乗るのは6ページまで。しかしハ長調~変ロ短調まできたら、えいやっとばかりにひっくり返せばよいのだ。そしてあとは変ト長調~ホ短調までを弾けばいいだけ。
1回しか手を出さなくていいからズボラな私にはもってこいである。
欠点といえば、ページの両端のほうの調が見にくいということがある。しかし私はさすがに長調は暗記しようとしなくても暗記しており、問題は混同しがちな、和声的短音階と旋律的短音階だ。だから苦手な調のところだけササーとずらしてまんなかにもってくることになる。でも軽いからOK!
スケールはジャズピアノで役に立つ
スケールを暗譜すると何の役に立つのだろう? 英国王立音楽検定のおえら方が決めたぐらいだから何かご利益があるのだろう。しかし私はクラシックピアノをやっていて、スケールがすらすら弾けるからトクをしたという記憶はない。
しかし、ジャズピアノではある、大いにある!と思う。
たとえば
|Am | Dm7 | G7 | C |
というコード進行があったとする。お決まりの循環コードである。
このコード進行でかっこいいアドリブフレーズを発明しようにも何にもでてこないことがある。
けれどもAm はラ・ド・ミ、Dm7はレ・ファ・ラ・ド、G7はソ・シ・レ・ファ、Cはド・ミ・ソ だから
ドー シラソ ファー ソラド シーラソファミー
とコードにある音、つまりCのスケール(ハ長調)を並べれば、リズムとタッチさえそれらしければ何とかなるのだ(あ、これFly me to the moonのメロディーだね!)
ところでこんないい加減なことを書いているジャズの理論書はない。あくまで私が個人的に何の根拠もなく思いついたアドリブ練習法なのだ。どうかまともに受け取らないでいただけたらと思う。