持ち物を点検してレッスンに臨む
2月吉日、私は手土産のパイ菓子とともに、先にメールで先生からお達しがあった以下のものを携えて、初回クラシックピアノレッスンに臨んだ。
以下の物とは次のとおり。
- 入会金(現金)
- 今回のレッスン料(現金)
- バーナムピアノテクニック2
- バッハフランス組曲2番の楽譜
- 「これまでに弾いた曲」と「これから弾きたい曲」のリスト
- ノート
このうちノートはどんなものでもいいと書いてあったので、私は100均でA5サイズのものを買っておいた。
どうせ私が使うものだろうが、先生がみるとなるとスヌーピー柄とかはふさわしくないだろうと思い、シンプルなやつ。
ところがこのノートは、思いもよらぬ使い方をされることになった。
スタンウェイでバーナムを弾く贅沢
時間きっかりに先生のスタジオのチャイムを鳴らす。
ご挨拶というか、口上とともに手土産を差し出すと、先生からはものすごく喜ばれた。
良かった!
これだけ素直に喜ばれれば、買った甲斐がある。
まず入会金やレッスン料など必須項目を済ませたのち、さあいよいよレッスンなのだが?
教材はバーナムピアノテクニック2!
内容はチラ見したところ、私が幼稚園のときに使ったバイエルとあまり変わらないと思った。
そして私に割り当てられたピアノは体験のときと同じスタンウェイ!
なんか贅沢だね。
そして100均で買っておいたノートは私がメモするためではなく、先生がそこに私向けの学習ポイントと宿題を書くためのものだったのだ!
ノートに書くのは私ではなく先生だった!
たとえば1番の「目がさめた のびをしよう」では両手八分音符で
ドレミファソラシド レミファソラシドレ ミファソラシドレミ
と弾き、終わりの音に向かってクレッシェンドするように指示されている。
私は気をつけて弾いたつもりだが、
「3の音が大きすぎますね。ということは3の指が一番強いということですね。
そうではなくて4.5に向かってクレッシェンドしてください。
ただし汚い音にならないようよく聞きながら、レガートで」
と言いながら、それをノートに書いていくのだ。
そしてお手本を示してくれる。
私は最初、ボーッとしてスタンウェイの椅子の前に座ったままであったが、
「私の横にきて、私の指をよく見てください」
と言われてしまった。
先生の指は指先だけがベチャっと平たくなったピアニストとして理想の指である。
いや、それだけよく練習をしてきたという証なのかもしれない。
そしてバーナム自体はバイエル同様、むずかしいものではないが、ほとんどの練習番号で先生は移調を要求された。
「えーと、これはまずCでやって、そしてD、E、F、Gぐらいまでの移調はできるかしら?」
私はクラシックピアノには移調のスキルはいらない、と思い込んでいたので、もうびっくり仰天だった!
とにかく先生は細かいところまで説明をし、自分でそれを弾き、ノートに書いていく。
だからものすごく忙しい。
私はときおり質問し、弾くだけだから先生よりずっとヒマである。
ただし、ものすごく緊張➡集中せざるをえなかったが。
そして練習番号12までたどり着いたときは、もう1時間を経過していた!
なので曲としては、体験レッスンのときに弾いた「バッハフランス組曲2番のアルマンド」をさらっとやるにとどまった。
バーナムを毎日復習するというタスク
「次回からはバーナムにかける時間は20分くらいにしたいと思います。
このノートを見て、おうちで毎日復習してくださいね」
うぇ~ 教材自体はやさしくても、移調して弾くとなれば、コトはそんなに簡単ではない。
それに先生は、
「自分の出す音をよく聴いて耳を鍛えてください。
それから常に自分の指を観察して、正しいフォームで弾けているかどうかチェックしてください」
そうか。
楽譜に張り付いて音符だけを目で追っていてはイカンということだな。
今さらながら目からうろこ、である。
さて、これからのレッスンはどういうレッスンになるのだろう?