女性ボーカルにふさわしい「You Go To My Head」
「On a Clear Day」に続く曲はスローバラードの「You Go To My Head」(忘れられぬ君)であった。
この曲はレッスンでとりあげられる前はまったく聞いたこともなく、師のイチオシでレッスン曲に決まったのだった。
弾いてみると、たしかになかなかいい曲ではあるが、雰囲気的に、私には似合わないと思う。
この曲は私のイメージからすると、マリリン・モンローのような妖艶、かつ豊満でお色気たっぷりの女性ボーカルが、ハスキーボイスでじっくりと、語るように歌い始めるのがふさわしい。
だいたい私は、≪go to someone's head ≫には、「(成功などが)人をうぬぼれさせる」以外に、「人を興奮させる、酔わせる、当惑(混乱)させる」の意味があるなんて、まったく知らなかったのだ。
そしてそれに合わせるように、≪champagne≫、≪sparkling Burgundy brew ≫、 ≪kicker in a julep≫ などのアルコール名が出てくる。
下戸の私にはとんとご縁がないものばかりだ。
やっぱりこの曲は誰か女性ボーカルの影に隠れて、ひっそりと弾きたかったなぁ。
スローを飽きさせずに盛り上げる難しさ
これは私だけの実感であるが、テンポの速い曲なら勢いでごまかせるものの、スローはそうはいかず、聴衆を飽きさせずに盛り上げるのは大変難しい。
第一この曲、最初のテーマだけで2分20秒もかかっている。
「ああ、お客さんはもう飽きてるやろなぁ」
と焦る。
しかしアドリブの前半で倍テンポをもってくるには早すぎる。
心にぐっと迫る粋なアドリブメロディーが弾ければいいんだけどね。
無理無理無理。
それじゃ、ブロックコード(和音)をがーーん!と鳴らそうか?
でもそんなに早い内から盛り上げたら、コーダで弾くものがなくなってしまう。
などと忙しく考えていると、今自分がどこを弾いているかわからなくなってしまうことがあるから気をつけないと!
【演奏動画】エンディングに苦言あり
なんとか最後まで大きなミスもなく、弾き切った!と最後のコードを押さえたときはそう思った。
ところが弾き終わってからやや不気味な沈黙があり、後部の座席にいた師からは、はっきり聞き取れなかったが、エンディングについて苦言があったようだ。
でも私にしたら、
「このエンディング、このあいだのレッスンで弾いたのと同じやし、そのときは何も言われてないよね、たしか」
とクエスチョンマークでアタマがいっぱいになった。
だって、ドミナントをアルペジオで弾いて、そのあとオクターブでミ♭でしょ。
それからダダダダダダダダで降りてくるやつ。
これ、ダメですかねぇ? がっくり。
もっと凝ったのを考えないといけなかったのか。
初見は合格、今週からはクラシック
恐怖の初見については、優しいボーカルさんが選曲を担当してくれたおかげで、スタンダード中のスタンダート、「Fly me to the moon」を弾くことになり、ほとんど楽勝。
ただ、ふだん弾いているキーはCだったので、ボーカルさんのキー:Fにはとまどったが。
でもリスクをとらない、ダサいイントロ・エンディングを弾いたため、大きな失敗なく終わった。
とりあえず良かった、もうほんとにホットした・・・
これからもう水曜日まではジャズもポップスも弾かない。
アタマを切り替えて、クラシックに専念することにすることにしよう!