弾きながらやっぱりアタマが揺れている
アップテンポの4ビートに比べると、バラードは結構得意なほう。
これはたぶん、若い時にラウンジやクラブで弾いていたとき、やかましい曲は弾けないので、シャンぺンミュージックのカクテルピアニストに徹していたなごりかもしれない。
私のバラード、「You go to my head」を聞いた師は、
「これはうまいなぁ。
そやけどやっぱりときどき、アタマが揺れるなぁ。
これは残念やなぁ」
と言った。
弾きながらカラダのどこかが動くのは賛否両論
私のようにピアノを弾きながらアタマや首、また人によっては口元や顔面が動く弾き方は賛否両論いろいろあるようだ。
賛否両論といっては極端だが、
「本人がそれが弾きやすくて弾いてるのやから、別にかめへんのとちゃう?」
という派と、
「これは絶対矯正しないといけない」
という派である。
クラシックで言えば、マリア・J・ピレシュを思い出す。
この大ピアニストはNHKの「スーパーピアノレッスン」で、生徒のユッセン(彼も後年著名なピアニストになった)の口元が演奏中に始終動いているのが、お気に召さないようであった。
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そしてわが師は、クラシックではないが(しかし子どものときからクラシックを習っていた)カラダやアタマが上下に動くのを嫌う。
演奏中は音を前に出すことに集中すべきで、首ふり人形みたいな動きは無駄だ、と言い切るのだ。
確かにアタマや首を、カクンカクンさせていると、弾くフレーズもカクンカクンというよけいなリズムがはいるかもしれないね。
鍵盤や手元を見ないで弾け、と言われた
この私のアタマが揺れるクセを矯正するために、師は私に、
「鍵盤や手元を見ないで、いっぺん弾いて見て」
と言った。
私は「えーーー!?」と言いながらもやってみたが、別段音をはずすわけでもなく弾けるのだ。
しかし視線はどこにやればよいのか?
弾けなくもないが、やっぱり鍵盤をみたほうが安心感が違う。
そういう私に師は、
「目の不自由なひとがどうやって弾いてるか考えて。
スティービー・ワンダーがええ例や」
スティービー・ワンダーと辻井伸行さんはどう弾いているか
そして見た動画が下のもの。
なるほど、彼は歌うからね。
確かに首やアタマを上下に動かしていたのでは、声は前にでないだろう。
手元はいっさず見ず(見ても仕方ない?)パワフルな歌声を聴かせるスティービー・ワンダーはしかし、体は左右に揺れている。
では左右に動くのはいいのか?
ジャズやポピュラーなどの軽音楽ならいいのかも?
だってスィングする=揺れる、は振り子のような左右の動きだものねえ。
ここまで考えたところ、同じく目が不自由な辻井伸行さんは、よく首を左右に動かすことを思い出した。
これはスティービー・ワンダーにはない動きである。
この動きは彼の演奏には欠かせないものなのか?
ごちゃごちゃ考え出すとわからなくなってきた・・・
しかしとりあえず、手元や鍵盤を見ずに弾く練習はしばらく続けてみようかと思う。
なぜかというと、アタマを下げずに正面を向いた姿勢であると、肩にも首にも負担がかからないような気がするのだ。
あくまで気がするだけか?
要!観察!