
「花嫁」という歌を知っているか?
きょうのジャズピアノのレッスン。
私とジャズ師は同年齢のせいであろう、世間話は昔話のことが多い。
きょうは60-70年代に流行ったフォークソングのことが話題になった。
これらを流行らせた当時のスターに、はしだのりひこ氏(1945-2017)がいる。
このかたはいろいろなひとと組んだようで、ザ・フォーク・クルセイダーズという名で活躍したのはもちろん、「はしだのりひことクライマックス」「はしだのりひことシューベルツ」というグループ名でレコードをだしていたこともあった。
しかしどういう曲だったか?
すると師が突然、
「『花嫁』って知ってる?」
と訊いた。
知っていることは知っているし、たぶん師が私に訊きたいのは、花嫁という、はしだのりひこ氏のヒット曲が好きかどうか?ということだろうと先回りして予想し、どう答えようかと一瞬迷ったのである。
小室真子さんは花嫁のヒロインといっしょらしい
私は長いこと、このかつてのミリオンセラーソングを忘れていたが、思い出したのは数年前、今の小室真子さんが結婚されたとき、林真理子氏が、「ヒット曲の『花嫁』の状況と同じで、ご境遇に涙が溢れる」みたいなエッセイを雑誌に書いていたのを美容院で読んだからである。
「花嫁」の歌詞は下記のとおり。
花嫁は 夜汽車にのって
嫁いでゆくの
あの人の 写真を胸に
海辺の街へ
命かけて燃えた
恋が結ばれる
帰れない 何があっても
心に誓うの
小さなカバンにつめた
花嫁衣裳は
ふるさとの丘に 咲いていた
野菊の花束
命かけて燃えた
恋が結ばれる
何もかも 捨てた花嫁
夜汽車に乗って
私がこの歌詞を読んで(聴いて)、なんだかなぁ~と思うのは、「あかんかったら帰ってきたらええのに、意地はってないで」と思うからである。
退路を断ってしまうのはよくない。
どこにでも逃げ道はある、と思うほうが生きやすいのではないか、と思うのだが?
ジャズボーカルに転身した藤沢ミエさん
しかし師がいいたかったのは、花嫁の歌詞についてではなかった。
この歌のボーカルを務めた藤沢ミエさんは、フォークソング流行の絶頂期にジャズに転向し、師はアメリカから帰国後、数年にわたって彼女の歌伴で大阪の「ロイヤルホース」などでライブをやったというのだ。
「ものすごいレパートリーの多いひとやった」
と師は懐かし気に語る。
家に帰ってから、さっそく私は藤沢ミエさんの「その後」についてネットで調べてみた。
しかしネットでみつけた記事によると、彼女は「公の舞台からすがたを消し」「その後については謎に包まれた部分が多い」らしい。
かろうじてXでの投稿で、「京都で歌っている」と書いたひとはいたが、しかしジャズを歌っていたとは一言も書かれていない。
ふーん。
フォークからジャズへの転身は話題にならないのか。
というか、当時はテレビに出なくなったら落ち目といっしょで、大阪の名門ジャズクラブで歌っていても、落ちぶれたのと一緒なのか。
あらためて、「花嫁」を聞いてみた。
歌詞はともかく、藤沢ミエさんの声は太くて力強く、当時の女性フォークシンガーの細く透明な歌声とはかなり違っていて、ジャズ向きである。
ああ、うらやましい・・・
はしだのりひことクライマックスの「花嫁」