年齢層の高いジャズボーカル教室
きょうは人生で初めてのジャズボーカルレッスンの日。
どきどきしながら夏らしい飾りつけのされているショッピングモールの5階へ。
指定教室へ入室してみると、30人ははいるピアノのあるお教室に男性を含んだすでに9-10人が。
年齢層はけっこう高そう。
60代-70代が中心なのは、やはりジャズだからか。
時間きっかりに先生登場。
パナマ帽にアロハシャツ、ジーンズといういでたちで、馴染みの生徒さんたちと軽口を叩きながらのご入場。
この時点で私の心臓はすでにバクバクであった。
きょうの課題曲は「Bye Bye Blackbird」
レッスンは軽い柔軟体操のあと、発声練習を10分ほど。
このあときょうの課題として「Bye Bye Blackbird」のリード譜を渡される。
そして模範演奏としてジュリー・ロンドンの日本公演のときの「Bye Bye Blackbird」をみんなで聞いたが、これは私の好みではないので、ここでは貼らない。
そして先生が各人の好みのキーを聞いた。
女性はCが多く、男性はFがふつうみたい。
私はというと、譜面どおりの「Ebでお願いします!」というと、先生から
「え?そんなに高くていいんですか?」
と念押しされた。
だってEbだと最高音はシのフラットでしょ?
余裕やん。
そんなに高い?
どうも私は自分の声質がよくわかっていないようだ。
生徒の希望通りのキーでピアノ伴奏ができる先生
結局、生徒たちの挙げたキーはF・Eb・Db・C・Bb・Ab と幅が広かった。
そしてここからが私が驚嘆した点なのだが、先生はそれぞれのキーにあわせてピアノでイントロ、歌伴、アドリブ、エンディングと完璧に弾きこなしたことである!
え!先生、ボーカリストでしょ!
なんでこんなにピアノが弾けるの!
この先生のクラスを探し当てる前、いろいろとネット検索をしたのだが、そのなかには「ピアノ伴奏者の料金を含みます」というのが何件かあった。
要するに歌の先生は歌だけ教えるがピアノ伴奏はできないので、ピアノ弾きを連れてくるからこれこれのレッスン料(けっこう高い)になりますよ、というものだったと理解している。
しかるに今日の先生は、「生徒さんの伴奏は私がやりますよ、どんなキーでも大丈夫ですよ」ということなのだ。
いわば一人二役である。
そして先生のライブ出演のスケジュール表も手渡されたが、月に8-10回はライブ出演があるという売れっ子ぶりなのだ。
しかもボーカリストとして!
ピアノで移調のむずかしさ
クラシックピアノで移調というスキルはほとんど使うことがないと思うが、ジャズピアノではほぼ必須である。
そしてまた、これが非常に難しいのである。
私はギターが弾けないのだが、ギターというのは結構移調しやすい楽器らしい。
ところがピアノでは半音移動すると、黒鍵と白鍵間の移動となるので、もう指も脳味噌もぐちゃぐちゃになる。
しかしできる人は、というか、やれる人はやれるのだ。
たぶん相当な努力と、いくつかのコツによって。
そういえば、私の愛読書である「すごいジャズには理由がある」のなかには、「ある曲が弾けるということは、12のキーでその曲が弾けるということである」というのがあった。
それをもっていうと、私は書かれているキーでしか弾けない。
ものによってはCだと弾けることはあるかもしれない。
しかしEbの譜面をみてAbやBbで弾け、というのはまったく無理難題である。
なんか歌を習いに来たのに、ピアノの移調ばっかりが気になってしまった。
それでは最後に私の好きな「Bye Bye Blackbird」を。
サラ・ヴォーンの来日公演のときの録音で、テンポもかなり速い。