ピアノは私に向いた楽器なのか?
先日の「ツェルニー30番弾き方相談室」に参加したときから、どうにもアタマにこびりついて離れないお題があるので、やっぱりここに書いておく。
問題はずばり、
ピアノは私に向いた楽器なのか? つまり、ひょっとしたら私には、ピアノ以外に向いた楽器があるかもしれない?ということである。
フルートの経験がピアノで活かされた例
「ツェルニー30番弾き方相談室」に参加された生徒役のかたのなかに、音大でフルートを専攻され、ピアノはその当時、副専攻だった、というかたがおられた。
そのかたは、最近になってチェロのレッスンも始められたそうだが、それで初めて、「ああ、やっと私にあった楽器が見つかった!と思った」というお話をされた。
この話はそのときの講師役だった、東京から来られたエラい先生も、興味深々というまなざしで、質問されたり、相槌を打たれたりしていた。
「でもずっとフルートを続けてこられたということは、お好きだったのですよね、フルートが?」
「どうでしょうか?フルートは最初に音をだすときに、あまり苦労しなかったのです。それが長いあいだ、続けてこられた理由だと思います。でもずっと私にフルートは向いていないな、と思っていました」
「唇のかたちとかで、向き不向きがあるんですよね?フルートって?」
「はい、それもあります。でもタンギング(舌を用いた技法)も下手だし・・・」
そのかたは、「ピアノは現在あまり弾いていない」と謙遜されていたが、ツェルニー30番のなかの1曲を見事に最初から最後まで、ミスタッチなしで弾かれた。
でも私が言うのもなんだが、ちょっとぎくしゃく気味で、指が全体に上下しすぎるようにも感じた。
先生もそれを感じられたのか、ちょっとフルートを構えるしぐさをしながら、「上下ではなくて、もっと前に進むように」と言われたのだ。
そしたら、最初の演奏はひょっとしてパフォーマンスだったの?と思われるぐらい、指も音も、滑らかに流れるようになったのだ!
フルートで培った表現方法が、ピアノでも活かされるという見本ではなかったか!?
私のピアノは自分からは選んでいない
私は幼少時からピアノを習ったが、昭和のピアノブームに乗った両親が買い与えたもので、自分で選んだ楽器ではない。
それ以降にさわったことのある楽器といえば、ハーモニカ、リコーダー、ギターだけ。
ヴァイオリンやチェロなぞは、触れてみたこともない。
思えばかえすがえすも残念だ。
音だけに関していえば、ピアノよりもヴァイオリンが好きなのに。
ヴァイオリンは上手な人が弾いているのを聞くと、「甘い音がするなぁ」と思う。
なぜ音が「甘い」と感じるのかは自分でも説明はつかない。
でもヘタな人の演奏は、ちょっと聞いていられない。
以前参加したピアノの発表会では、先生のお知り合いで、ヴァイオリン教室の生徒さんも何人か参加されていたが、はっきりいって、聞くのは苦痛に近かった(あんたのピアノもそうやで!と聞こえてきそうな気がするが)。
自分がもしヴァイオリンを始めるとしたら、あの音を自分で聞くことになるのか、と思うと、二の足を踏んでしまう。
小さいうちから3-4種の楽器を!
でもピアノばかりが、お稽古ごとの楽器として取り上げられるのもいかがなものかな、という気がする。
- 基本的に持ち運びできない
- 騒音問題の対象になりやすい
- アンサンブルの機会が少ない
こういうことを考えると、小さいうちからピアノだけでなく、3-4種の楽器に親しめる環境だったとよかったのになぁ、と思う。
そしたら中学生ぐらいで、「やっぱりフルート」「ヴィオラが好き!」「チェロこそ命」と自分で選択できるようになったかもしれない。
それでもやっぱり、音出しに苦労せず、和音も一挙に押さえられるピアノを選ぶことになったのかなぁ