夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

マリリン・モンローとイヴ・モンタンの映画はもっと評価されてもいいと思う

1960年アメリカ映画の「恋をしましょう」(原題:Let's make love)

映画より主演の不倫が話題になった映画「恋をしましょう」

1960年のアメリカ映画「恋をしましょう」(原題:Let's make love)は、その映画の内容よりも、主演のマリリン・モンローイヴ・モンタンの不倫のほうが有名かもしれない。

つまり、撮影中に二人は恋仲となり、そのせいでモンタンの妻のシモーヌ・シニョレが自殺未遂に追い込まれたというのである。

Wikiにもこの映画は「興行的に失敗に終わった」とあるので、まったく期待せずにNHK BSで放映されていたものを録画してみたのであったが、私には結構楽しめるミュージカル・ラブコメだった。

これは60年代のジャズが聞けることから、私好みであることは明白なのだが、一般的に言っても、もっと評価されてもいい映画ではないかと思う。

私なりの高評価の理由

ストーリー自体は、億万長者の会社経営者であるクレマン(イヴ・モンタン)が自らの素性を隠し、舞台女優であるアマンダ(マリリン・モンロー)のハートを射止めようと奔走する単純なお話である。

なのでストーリーよりも、以下の理由からこの作品を推したい。

  • マリリン・モンローの魅力がぞんぶんに楽しめる。ただ私より審美眼が鋭い夫は、この頃のモンローは「お腹がでばっていた」と酷評していたけれど。

でも特に歌。

歌手でもないのに、これだけ歌えれば充分ではないか。

最近のかたはあまりご存じないと思うので書くが、1980年代に一大ジャズボーカルブームを巻き起こしたジャズシンガーの阿川泰子さんの当時の歌唱力より、よっぽどすぐれていると思うのだ。

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下はビング・クロスビーによる歌唱指導。

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下はジーン・ケリーによるダンス指導。

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なんでこんなタイトルなのか?

どうしてもわからない点はこの映画の原題、「Let's make love」についてである。

もちろん日本語の「恋をしましょう」に問題はない。

しかしフランス語ネイティブの夫は Let's make love をそのまま仏訳すると、Faisons l'amourとなるため、「『ナニをしましょう』って言っている映画なの?」とバカにしていた。

ひょっとして英仏語のこのことばには、ニュアンスの違いがあるのかもしれない。

そのせいか、この映画のフランス語タイトルは直訳の Faisons l'amour ではなく「Le Milliardaire(億万長者)」となっている。

いずれにしろ、非ネイティヴにはわからないのだが、もうちょっと誤解されないタイトルをつけたほうがよかったのではないか、と思うのだが・・・

もっとモンタンの歌を聴きたかった

イヴ・モンタンは歌手であり俳優なので、このブログでもご紹介した「ブラームスはお好き」では歌の出番がなくて当たり前だ。

kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com

でも、せっかくのミュージカル映画では、もっともっとモンタンに歌ってほしかった。きっとこれはハリウッド側があまりモンタンに脚光があたらないように画策したのではないか、と私は勘繰っている。

下はこの映画唯一のふたりのデュエット場面。

ああ、しかしこの時代の音楽、本当に好きだなぁ~

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