大好きなロビン・ウィリアムズ
私はロビン・ウィリアムズの大ファンである。
このブログでも、彼の出演映画「グッドモーニング、ベトナム」に関する記事を書いている。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
それで今回の「ミセス・ダウト」は公開当時にすでに見ているのだが、もう一度、女装したロビン・ウィリアムズの、抱腹絶倒せずにいられない家政婦奮闘記を見たくて、テレビで放映していたのを録画した。
ところが、意外や意外、この映画って内容が深いんだなぁ~、と以前見たときには気がつかなかったことがあったので、ここに書くことにした。
「ミセス・ダウト」のざっくりあらすじをご紹介
サンフランシスコに住む声優のダニエルは、3人の子供が命ともいうべき子煩悩な父親だが、仕事のほうは失業を繰り返すばかり。家事にも非協力的で、仕事と家事でクタクタの妻、ミリンダから離婚を切り出されてしまう。
裁判所の裁定では定収入のないダニエルに養育権が認められるはずもなく、ダニエルは週に1度しか子供たちと会えなくなってしまう。子どもたちに毎日会えないのは地獄とばかりに、ダニエルは一計を案じ、60代の英国女性に扮装して、子どもたちの家政婦になりすます。しかし、妻ミリンダに心を寄せるライバルがあらわれ・・・
ダニエルがすべての子どもたちに伝えるメッセージ
あえてネタばれをするつもりもないのだが、この映画、最後はダニエルは父として、子どもたちと好きな時に会えるようになる。
しかし、妻ミランダとよりを戻せるかどうかは、はっきりしない、というのがいいところだと思う。
日本では「子はかすがい」というが、いったんはイヤになった夫が仕事も順調、家事もやってくれ、子どももなついているから、という理由でよりを戻す女性ってアメリカで受けるだろうか?
そして子供向け番組を担当するようになったダニエルが、視聴者にむかっていうことばがこの映画のメッセージのすべてではないかと思うのだ。
「きみのパパやママがもう愛し合わなくなって、一緒に暮らさなくなっても、そのことで自分を責めないで、それはきみのせいじゃないから。
世の中にはいろいろな家庭がある。ママだけの家庭、パパだけの家庭、おじさんおばさんと暮らしている家庭などなど。
そしてお互いに遠く離れて、めったに会うことのできない子どもたちがいる。
でもお互いを結ぶ愛さえあれば、きみの心の中にはずっときみの家族があるのだよ」
30年たって日本の家族像は変わったか?
この映画が封切りされた1993年当時、日本での離婚率は今より低かったのではないだろうか。
私は子どももいないし、こういう問題には詳しくないのだが、血のつながっていない親子でできている家庭は当時、まだ珍しかったのでは、と想像する(今もそうかもしれないが)。
しかし1980年代末、私が留学していたフランスでは、すでにそんな家族が珍しくなかったことに本当にびっくりした。
私はカトリックの女子寮に長く住んでいたのだが、褐色の肌をした女の子のもとに北欧系のように真っ白な肌のお母さんが迎えに来てくれたことがあった。
よりによって、私は思わず、
「お母さんとはあまり似ていないのね」と言ってしまったのである。
今でも忘れられない私の最大級の大失言である!
やっぱりこれはロビン・ウィリアムズの楽しい映画
しかし何といってもこの映画は芸達者なロビン・ウィリアムズ以外に主役は考えられない、実に楽しい映画である。
彼の(彼女の?)理想的な英国婦人の家政婦ぶりには、いつだって笑わせられるのだ!