先生がiReal Proを使っていないわけ
先日、ジャズピアノの先生が私に模範演技を見せてくれた折、スマホのメトロノームにあわせて、というより、メトロノーム音のギリギリのところからゼロコンマ何秒か遅れたところでスィングさせる、という妙技を見せてくださった。
感心した私はふと思いついて、
「先生はiRealProを使っていらっしゃらないんですか?」
と聞いてみた。
iRealProとは1400曲以上のコード譜をスマホの画面上で見せてくれ、それに従って、ピアノ、ベース、ドラムのバッキングを流してくれるすぐれたアプリである。
名だたる曲はほとんど搭載されているし、キーも一瞬で変えられ、テンポも自由自在で変更できる。
私も何年か前に1600円ほど払ってインストールしたときには、「こんな便利なモノで練習できる世の中になるなんて、ジャズを始めた若いころには想像もしなかった」と感慨深かったものである。
ところが私は最近はこのアプリを使っていない。
なぜかというと、イントロ・エンディングがついていなくて、自分で設定するのが面倒くさいこと、最初のカウントイン(曲の出だしでビート音が鳴る)が最大8拍しかないのが、非常に不便に感じるからである。
ところが先生によると、このアプリを使わない理由は、
「機械音やから。まだメトロノームのほうがましや」
ということである。
スマホのメトロノームを使ってはいるが
私は現在、スマホのメトロノームを使っており、アプリ名はSmart Metronome & Tunerというものだ。
このメトロノーム音の種類は8種類もある。
というか8種類しかない、と言ったほうが正確かもしれない。
私が設定しているのはいつも「Wood」という木製のメトロノームにちょっと似た音。
たまには違う音のほうがいいかもしれない、と思って他のを試してみたが、面白いのはTaiko (太鼓)。
しかし難点はこれにするとボリュームがとたんに小さくなることだ。
なぜだかはさっぱりわからない。
もっと面白いのは英語のネイティブ女性が「One, Two, Three」とカウントしてくれるVoice。
しかしこれでずっと練習してみようとは思わない。
なんか横に人がいて、その人から叱られているみたいだし。
あとの音は機械音すぎて、私にはお話にならない。
私にとって理想のメトロノーム音とは何か?
私にとって理想のメトロノームとは、限りなくウッドベースの音に近く、大きなボリュームで鳴ってくれることである。
あ、もちろんテンポが正確であることは言うまでもないけどね。
この希望で意外によいのが、グーグルメトロノームである。
ただ単に、検索で「メトロノーム」で入れると最初に出てくるヤツ。
ウッドっぽいし、パソコンのボリュームさえ上げれば、かなり大きな音で鳴ってくれる。
しかし難点は拍子やサウンドのバリエーションがないこと・・・
その他、Web Audio Metronome というのも試してみた。
これは拍子も指定できるし、音の選択肢もある。
しかし気に入ったのはまったくない。
昔のアナログ式メトロノームが懐かしいけれど
ところでここで子どものときに使っていたメトロノームのことを思い出した。
色は茶色っぽかったが、果たして木製だったのかプラスティック製だったのかはっきりしない。
ただいつもピアノの上に置いていた。
覚えているのはねじを巻く式で、ねじを巻かないでいると動かなくなってしまうのだ!
ネット情報によると、この振り子式メトロノームで木製のものがよい音がするそうだ。
しかし今ではもう、ピアノの上には何も置かないことにしているし、ミニマリストでもあるので、あらたにこれを買ってモノを増やそうとまでは思っていない。
しかしどこかで実際に音を聞いて、その音色に惚れ込んでしまったら買ってしまいそうな気もするのだ。