夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

打ち上げニュースにはてなな人種でも感動する映画「遠い空の向こうに」

1999年のアメリカ映画「遠い空の向こうに」(October Sky)

私にロケット打ち上げ映画が楽しめるのか?

私は文系のなかの文系人間で、およそ理数系の科目については、学生時代の授業は、ほぼ席に座っているだけで、何も理解できないうちに終わってしまった。
だから下記の高校生の、ロケット発射実験のニュースも燃料に関する説明はさっぱり理解できず、やっている高校生たちは楽しくていいだろうな、ぐらいにしかわからない。

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だからNASAの元技術者で、日本人宇宙飛行士の訓練にもあたったホーマー・ヒッカム氏の自伝をもとにした映画「遠い空の向こうに」については、最初単なる青春映画というイメージしか持っていなかった。

しかし見てみたら意外にも感動物であったので、忘れずにここに書いておきたい。

実際のハナシをもとにした映画「遠い空の向こうに

ここで「遠い空の向こうに」のあらすじをざっくりご紹介。

1957年、ソ連が初めて打ち上げた人工衛星に刺激を受けた、小さな炭鉱町に住む高校生ホーマーは、仲間の高校生3人とともにロケット作りに挑戦することを思いつく。この炭鉱町ではアメフトで奨学金を得ない限り、ホーマーの父のように炭鉱で働くのが通例だったが、化学コンテストで優勝できれば奨学金で進学の道も開かれると知った高校生たちは、ますますロケット作りにのめりこむ。しかし彼らの前には資材の調達、溶接の技術など、乗り越えなければならない壁がたちはだかる・・・

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ロケット作りの夢だけではないみどころ

人間、夢を持つことが大切だと言われても、66歳まで生きてきた人間にはそんな甘いことばだけではだまされないのだ。

この映画が若者の夢物語だけでなく、次の要素もあったからこそ、私でも退屈しなかったものと思われる。

それはずばり、

  • 炭鉱の仕事に誇りをもち、息子にはできたら跡を継いでほしいと願う頑固オヤジと、未来のない炭鉱の町と仕事にしがみつくより、「宇宙」を相手にしたい息子との親子断絶問題
  • 石炭が斜陽産業となった時代背景:実際に舞台となったコールウッドはウェストバージニア州に実在する町で、1950年代には石炭ラッシュで栄えたが次第に衰退し、1965年には閉山している。これは邦画「フラガール」の舞台となった、福島県いわき市常盤炭鉱の当時の状況と酷似している。

ひとつの産業が栄え、そして衰退していくという世の理はわかるんだけど、そこで働く人みんながみんな華麗に他の産業、ビジネスに転身できるわけでもないしね。

だから今後AIの発展などで、世の中の仕事はどうなるのだろう?と思うと、斜陽産業の末路がとても他人事とは思えず、ついつい「自分だったら、どうするだろう?」という視点で見てしまうのだ。

1950年代のポップスがきら星のごとく

この映画、全編を通じて1950年代のポップスが目白押しである。

プレスリーなどで聞いたらわかる曲もあるが、1956年生まれの私はさすがにそこまでは詳しくはない。

だから映画中で使われたプラターズの「オンリー・ユー」や「煙が目にしみる」といった名曲にかぎって、後年必要に迫られながら、「いい歌だな」と思い覚えたものである。

それに「Smoke gets in your eyes」が「煙が目にしみる」とは名訳ではないだろうか?

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