夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

新作「首」公開前に北野武監督のピアノの腕前を思う

AI美空ひばりの歌に涙ぐむ北野武

先日、AI美空ひばりが歌う「あれから」を聴いていると、夫ちゃんが私のPCのところへやってきて、

「誰が歌ってるの、松田聖子?」

と聞いた。

彼が知っている日本人女性歌手は松田聖子だけなので、声の主がそうでないことが

わかったうえでの冗談なのだろう。

私はこの日、まだ説明をする元気が残っていたので、

「これはもう亡くなったけれども、日本を代表する『美空ひばり』という大歌手の声をAIでリメイクしたもの」

「ふーん、でも日本人の歌い方ってみな同じでしょ。

僕にはみんな一緒に聞こえる」

「あのね、『美空ひばり』がどれだけすごいかっていうと、『日本のエディット・ピアフ』なんだよ!(このときは口から出まかせだったが、本当だと思う)

見てごらん! あなたの大好きな北野武さんだって、この歌を聴いて涙ぐんでるんだから!」

フランス人男性に大人気の北野武監督

ビートたけし、というか北野武監督はフランスでは30-50代の男性に非常に人気があるらしい。

らしい、というのは何もそういう記事を読んだわけでもないのだが、夫ちゃんとその弟たち、その友達連がこぞって

「キタノタケシは凄い! 天才だ!!」

と賞賛するのをずいぶん前から目の当たりにしているからである。

私だってその昔、彼の漫才を聞いて、

「こんなにアタマの回転の速いひとがいるのか?」

と笑い転げながらもその才能には脱帽していたのだが。

でも、何しろ基本的に、彼が撮る映画はバイオレンスでしょ。

そしてTVではバラエティー番組でしょ。

どっちも私は大の苦手である。

だから夫ちゃんが「キタノタケシ、キタノタケシ♡」と絶賛するたびに、顔をしかめていたのだ。

ピアノを弾く北野武

その私の北野武観にいささかの変化が生じたのは、辻井伸行さんとのピアノを前にしての対談動画を見てからである。

なぜならその動画を通じて、北野氏が自分よりずっと年下である辻井さんの才能に敬服していることがわかったし、北野氏がピアノ、音楽の愛好家であることがひしひしと伝わってきたので、非常に好感が持てたからである。

ところがその動画はすでに削除されてしまったらしい。

それらしき音声が残ったのがあるが・・・

仕方がないので、北野氏がピアノを弾いている動画を下に貼っておこう。

www.youtube.com

でもこの動画は結構古いね。

確かコロナ禍の最中では

最近俺はよくピアノを弾いている。もう小学生がやっているのと同じようなレベルでやっている。だけど心の中では、死ぬまでにちゃんとした交響曲を弾いてやろうとかフジコ・ヘミングみたいな演奏をしてやろうという野望をもっている

という趣旨のインタビュー記事が週刊誌に載っていたから、今はこの当時よりずっと腕前をあげているのではないか。

北野武監督の新作「首」公開を前にして

その北野武氏が30年の年月をかけて構想を練り、「本能寺の変」を主題に自ら監督・主演を務めた映画「首」がまもなく公開される。

私はこの映画はすごく楽しみにしている。

だってわれわれ日本人は「本能寺の変」というと、ある種の固定観念があるのではないか?

それは学校の教科書で習ったものであったり、NHK大河ドラマであったり・・・

ちなみに私の印象に残っている大河ドラマは、羽柴秀吉緒形拳織田信長高橋幸治というふるーい1965年の「太閤記」なのだ。

あのある意味、「常識」を北野武氏がブチ壊してくれるかもしれないと思うと、なんだかワクワクしてこないか。

それでこの映画のロードショーに夫ちゃんを誘ったところ、いまいち気乗りのしない返事であった・・・

実は日本語の会話はもちろん、読み書きにはまったく不自由しない彼でも、日本の歴史物の理解にはちょっと苦労するみたいなのだ。

私が唯一、優越感を感じるゆえんである。

www.youtube.com