私にとって裏拍は鬼門かもしれない
私がバッハ パルティータ1番アルマンドのお手本としているピアニストの演奏動画を記事に貼り付けたところ、さる訪問者様から、「裏拍を大事にしっとりと弾かれているようです」というコメントをちょうだいした。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
なるほど、それでは私の演奏は裏拍のアーティキュレーションが甘いのかもしれない。
そう思うと裏拍って私にとっては鬼門かもしれない、とさえ思えてきた。
なぜかというと、これを言うともう恥さらしもいいところなのだが、よく音符を数えるときの「1ト2ト3ト」のトが裏拍をあらわしているというのを知ったのは、なんときょうなのである!
ええええええ!
それでは、今まで私は裏拍を理解していなかったのか?
一応、これまで裏拍に関する記事も書いているけど?
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
「1ト2ト3ト」のトはト音記号?
まったくの自己弁護なのだが、私の幼稚園~中学校のピアノの先生がたが「1ト2ト3ト」という教え方をした、という記憶はまったくない。
しかし「1ト2ト3ト」という言い方は聞いたことがある。
そして私はずっとそれを「いーち、にーい、さーん」という言い方でない、別の言い方だと思っていた。
ほら、よく日本をニホンといったり、ニッポンといったり、ケースバイケースではないか。
しかし、もう少し大人になってから「1ト2ト3ト」という表記をみて
「なんでトはカタカナ? ト音記号のト?」
と不思議だった。
しかし、いまでこそちょっと疑問に思えば、ネットで調べることができるが、私の若いころは他人に聞くか、自分で調べる(図書館とか?)しかなかったのだ。
「『1ト2ト3ト』のトは何ですか?」
なんて、他人に聞いたり調べたくなるような、大それた疑問ではない。
「1ト2ト3ト」のトを英語やフランス語でいうと?
ところが、訪問者様から裏拍についてのコメントがあったのをきっかけに、下記のような「ト」に疑問を呈する質問を、Yahoo知恵袋でなさっているかたがおられることがわかった。
ちょっとホッとしたわ~~
この質問に対するベストアンサーでは、「ト」は「and」の意味だそうだ。
つまり、下のようになる。
さらに「裏拍」とは英語で「off-beat」となり、こっちのほうがいいかなぁ。
だって私は「裏日本」という呼称も好きではないのだ。
ま、関係ないけど。
ふと「フランス語ではどういうのだろう?」と気になり、夫ちゃんに聞いてみた。
するとやっぱり英語と同じで、and が et (エ)に変わるだけ、ということがわかった。
下の写真の男性は夫ちゃんではないが、1,2,3が強拍で et が弱拍という説明がなされているようだ。
「1ト2ト3ト」のトはなぜカタカナか?
しかしどうして「ト」はカタカナなのだろう?
カタカナで書かれると、
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」
のように古色蒼然とした時代を感じてしまう。
やはり明治時代の小学校唱歌の影響だろうか?
ところが調べてみると、驚くことに明治時代どころのハナシではない。
「わらべ館」というサイトによると、昔の楽譜はカタカナが主流で、平仮名が取って代わったのは戦後、ということなのだ!
今でこそ、平仮名を習った後でカタカナを習いますが、昔の楽譜はほぼ1番がカタカナ、2番がひらがなとなっており、カタカナが主流でした。平仮名がカタカナに取って代わったのは第二次世界大戦が終わってからのことです。昭和24(1949)年4月5日に内閣官房長官より通達された「公用文作成の基準について(依命通達)」の中で、「かなはひらがなを用いること」とされたことが大きな転換点とされています。
エホンシヤウカ ハルノマキ | わらべ館 [童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム]
ネットのおかげで永年の誤解は解けるし、新しいことも覚えられるから、まだ当分、ネット依存症から治りそうもない。