夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

「ジャズスタンダード大辞典A~Z」を探し求めて

スタンダード・ジャズのすべて 大辞典 小川隆夫著 全音楽譜出版社

わがジャズ師が現在挑戦していること

私のジャズピアノの先生のインスタグラムの紹介欄には、『「スタンダード大辞典A~Z」に挑戦中!』とある。

インスタには先生の演奏が随時アップされていて、「More than you know」「M.Wonderful」とあるから、たぶんもうMまできたのだろう。

私はこの「スタンダード大辞典A~Z」が気になっていたが、これまで先生に質問したことはなかった。

想像するに「スタンダード大辞典A~Z」とは私がすでに持っている「Jazz Standard Bible」(通称クロ本)と同じようなものだからもう、同じようなもんはいらんやろう、と思ったからである。

しかし先日のライブで演奏された曲のなかで、気に入ったが知らない曲があり、先生によれば「スタンダード大辞典A~Z」にはいっている、と言う。

しかし正式名称はどこかに、ジャズがはいるやろね。

でないと、どう考えても英語の辞書にしか思われない。

しょうがないので、いろいろと文言を変えて、英語でも検索したが、これは!と思うようなのは見当たらなかった。

強いて言えば、「ALL OF THE JAZZ STANDARD スタンダード・ジャズのすべて大辞典 ベスト850小川隆夫著であった。

そしてそれは、なんと私が住んでいる町の図書館にもおいてあったのだ!

「スタンダード・ジャズのすべて大辞典」が図書館にあった

それは誰も借り手がいないのか、数日で予約順番がまわってきた。

ところでオンラインで予約すると、中身まではわからないので、期待した本でないことが借りてからわかることも多い。

今回もそうで、私は勝手にコード譜を集めたものだと思い込んでいたがそうではなかった!

これには少々、がっかりした。

内容は主に楽曲データと、その楽曲が収められている推薦盤、そして筆者の紹介文からなっている。

よく読んでみると、なかなか詳しい。

ジャズや映画、ミュージカルの歴史、すなわちアメリカのエンタメ全般にまで詳しくなれそうだ。

楽曲データと紹介文、そして推薦盤

「スタンダード・ジャズのすべて大辞典」はジャズ百科

そりゃね。

今やインターネットというものがあるから、楽曲についての背景が知りたければぐぐればいいし、何を聴いていけばいいか、なんて片っ端からYouTubeで探して聴けばいいのだ。

しかし850曲となれば膨大である。

それらを逐一検索するより、ページを開ければ一瞥でいろいろな情報がはいってくるのはありがたい。

そしてなおかつ、この本にはジャズ・スタイルの歴史、作曲家のプロフィールが書かれているばかりか、ジャズ用語集までついているのだ。

そう、クラシックとはまた別にジャズにはジャズの用語があるので、特に習いはじめたころは「?」の連続だった。

今では先生のいうこともほとんどわかるが、なんとなく~でわかっている気になっているだけのこともある。

これだけ気に入った本であるが、残念なことに今では中古品しか見当たらないようで、絶版なのかもしれない。

付録のジャズ用語事典

著者の小川隆夫氏について

さてこれだけ膨大な資料を編纂した小川隆夫氏とは、いったい何者なのだろう?

失礼ながらお名前は以前から存じ上げていたものの、巷にたくさんいらっしゃる音楽ジャーナリストのお一人としか認識していなかった。

ところがこの本をご縁に調べてみたら、音楽プロデューサー、ジャーナリストとして3,000枚以上のレコード、CDのライナーノーツを書かれているほか、著書多数とある(Wikiから引用)。

そしてなんと本職は整形外科医でいらっしゃるとのことだ。

ここでちょっと考えてしまう。

なぜピアニストや音楽関係に医学部生や、医師が多いのだろう?(本当はどうだかわからないのだが、多いという気がする)

だって先のショパンコンクールに出られた沢田氏も医学部生だし、ピティナステップで100回ちかく連続出場されているかたもお医者さんと聞いている。

しかし通常観念として、医師とは激務のはずである。

神戸市のある病院では、過労のため自殺に追い込まれた医師のご遺族が、働き方改善を求めて、涙ながらの会見を行われたことも記憶に新しい。

なのに同じ医師でも、趣味のピアノや音楽が続けられる人もいれば、それどころではない人もいる。

やっぱり「仕事」って本当は何なのだろう? わからんのだ、私には。