抜け感をなくすために、テヌートで弾くことを思いついた
前回、ジャズピアノについては師のアドバイスが禅的・哲学的すぎてようわからん、という記事を書いた。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
私の弾くピアノに抜け感があり、音と音のあいだにリズムがでてしまうという欠点があるらしいのだが、今もってこの意味がよくわからない。
ようするに、ド・レ と弾く間にドゥ・レィというように、次の音に行く間に音が抜けてしまってるということではないか、と自分なりに考えた。
とすれば、抜けないように、ちょっとテヌート気味に弾いたらいいではないかね?
つまりドー・レーというように、次の音に行くまでに当該の音をしっかり保つようにしたのだ。
サラサラパラパラのチャーハンのように弾くとは?
私は自分の思いつきにすっかり満足し、直近のレッスンでは大好きな曲、「On a Clear Day」をテヌートだらけで弾いた。
弾き終わった後、師は
「そうきたか~~」
としばらく絶句していた。
「たしかにテヌートで音と音の間隔を詰めたら、リズムがはいる余地ないもんな。」
しかし師が意図していたのは、そこではなかったようだ。
私はどれほど落胆したことか!
「もっと軽く、サラサラでパラパラでええねん。
チャーハンかてそうやろ? ベチョっとしてたらもう食う気なくすがな!」
そこで私はこう言った。
「たしかに私も、ご飯は柔らかいのよりも固めのほうが好きですが・・・」
そしたら師はわが意を得たり、といわんばかりに、
「そうやろ!そやから固めでお願いします! サラサラッ、パリパリッで!
固めて弾いて!」
「固める」という表現についての誤解
ところがまた信じられない誤解がおきた。
日本語の「固める」という表現には二通りあるのだ。
つまり
- やわらかいものに手を加えて、前よりも固い状態にする
- 一か所に集める(例:荷物を一か所に固める)
であるかと思う。
私は考えあぐねて、2のように、フレーズごとに集結させることかと理解したのだ。
つまり「翼をください」でいうと、
いーまぁー わぁたしのぉーー ねーがーいーごとがーー かぁなぁうのぉならー
と歌うのではなく、
いま、 わたしの、 ねがーいごとが、 かなうのーなら
と語るように歌えば、プロらしく聞こえるでしょ?
それと同じように、次のようなブロックに分けて弾いたらいいのかな、と思ったのだ。
ところが、これも違うそうだ。
師はすまなそうに、
「ごめんな。文字どおりの『固い』やねん」
しかし師と私はどちらも関西弁、つまり神戸弁でしゃべっているのに、どうして意思の疎通がうまくいかないのだろう?
これは私が26年も首都圏で暮らしたせいで、ホンマモノの神戸弁がわからなくなっているせいか?
それか、長い間、ホンマモノの中華料理店で、サラサラパラパラのチャーハンを食べていないせいなのだろうか?
とりあえず目指すのはビージー・アデールの「On a Clear Day」
ゴリゴリのジャズのサウンドは私には手が届きそうもないので、とりあえず、幾分イージーリスニングがかった、ビージー・アデールの「On a Clear Day」を目指そうと思う。
まあ、これだって弾けるわけではないんだけどね。