「大きなキャンバスに絵を描くようにピアノを弾く」という師の新提案
どうも話題があちこちに飛ぶので申し訳ない(思い出したときに、違ったネタを平行して書いているので)。
きょうは以下の記事の続編である。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
「パリパリ、サラサラのチャーハンのような固めの音で」と言っても理解できない生徒にはどう説明したらよいのか?
もちろんお手本は何度となく弾いているのだが?
しかし次のたとえ話はなぜか生徒である私の腑に落ちた。
まさに「ごもっとも!」で座布団を投げたいくらいであった。
それは「大きなキャンバスに絵を描くようにピアノを弾く」というものだった。
師はスタジオでダッシュを繰り返した
師は両手を大きく広げ、
「あのな、ここに大きなキャンバスがあんねん。
ここにな、ちょっとずつ絵を描いていくねん」
と言う。
「そんでな。ちょっと描いたら画家ゆうんは、後ろにさがってみるやろ?
そんで『あー、ちょっとこここうしたほうがええな』とかいいながら、色を足したり引いたりするんや」
この「後ろにさがって」のところで、師はスタジオの窓際近くまで走っていき、ピアノの向こうあたりにある架空のキャンバスを眺めるふりをする。
右手にはもちろんパレットを持ったつもりで。
そしてダーーッと走っていき、架空のキャンバスにチョンチョンと筆を加えるしぐさをする。
そしてまたダーーッと後ろの窓際のあたりまで走る。
遠めにキャンバスをみる・・・
ちなみにジャズピアノのスタジオは、この手のスタジオにすれば結構広く、資料をみれば約11畳とある(ホームページより写真をお借りした)。
ここを4-5回ダッシュとバックを繰り返したせいで、師はすっかり息切れし、ハァハァいっていた。
フレーズを視覚化しながら弾いてみる
師の大奮闘の効果あってか、この例はわかりやすかった。
つまり私は、最初のフレーズを弾きながら、ぽっかりと綿あめみたいな雲を描いた気になる。
そして2番目の反復形のフレーズを弾くときには、青い空のつもりで水色を塗りたくった感じ。
画家が後ろに下がってみるように、ピアノの響きを確かめながら、
「次は樹を描きたいんやけど、どんな緑で、どんだけの大きさにしよう?」
と考えながら、次のフレーズを弾く。
わ、これ結構面白いわ!
この仮想キャンバスごっこの良い点は
- ピアノの前にキャンバスがあると仮定するので、前かがみにならず姿勢がよくなる➡よい音がでる。
- 自分の出した音を客観的に聴くくせがつく。
といったことではないか、と思う。
横尾忠則氏も離れて見ている
しかしホンモノの画家は、大キャンバスに絵を描くとき、うしろに下がってみるのだろうか?
これもなんとなくそうではないか、という気がしただけで確証はない。
そこでいろいろグーグルさんに聞いてみたあと、後ろに走って行ってみる、というほどでもないが、絵から離れて見ることは確かにしているようだ、ということが横尾忠則氏に関連する記事でわかった。
そういえば、「横尾忠則現代美術館」は神戸市灘区にあるというのに、私はまだいったことがない。
100%好きな画家とは言い難いが、せっかくなんで1回くらいいったほうがいいよね。
ついでに近所の神戸文学館にも!