自分の録音を聴いて判断すること
師の「大キャンバスに絵を描くようにピアノを弾く」という新提案は、私のピアノに非常に有効だったようだ。
このアドバイスを得てから弾くと、
「ええわ、これ! もうむっちゃええわ!」
と絶賛されたのだ。
「家に帰ってからよぉ録音聴いてみ、今までのと全然ちがうから!」
とも言われた。
そういわれても、弾いた本人はさっぱり気がつかない。
私はいつもこうで、録音したものをきいてから、
「ああ、ここはあかんかったなぁ、けど意外にここはよかったなぁ」
と発見する。
そしてもちろん弾いているときも自分の音はしっかり聞いているつもりなのだが、ほとんどは録音を聴いてから納得することが多い。
そしたら弾いているときは、私の耳は何の役目を果たしているのだろう?
師からは、
「とにかくな、録音をきいて結果がいいものを選ばなあかん。
自分が弾いているときに『これが好きやから』ゆう気持ちでは選ばんほうがいい」
とも言われた。
私のピアノは誰かに似ているというお世辞
このとき師は本気なのか、私をからかいたかっただけなのか、ジョークが止まらなかった。
「なんか、えーと、えーと、(私のピアノが)あのひとのピアノみたいやな」
と言いかけて、その『あのひと』とは、あるピアニストのことらしいのだが、名前が出てこないらしい。
そこですかさず、私は、
「誰ですか?美人にしといてくださいね!」
と言ったが、
「美人!? ジャズピアニストなんか、おっさんばっかりやないか!!」
ジャズ史に残るピアニストはみな男性
ここで私は、いくぶん悲しい事実に気がついた。
そうだ、ジャズ史上に名を残したピアニストはみんな男性なのだった!
オスカー・ピーターソン、ビル・エヴァンス、ウィントン・ケリー、ソニー・クラーク、トミー・フラナガン、レッド・ガーランド、チック・コリア、キース・ジャレット、ジョー・サンプル・・・
しかし女性ピアニストは?
不思議に思いつかない。ふーん、どうしてやろね。
クラシック界ではアルゲリッチ、ユジャ・ワンなどいっぱいいるのにね。
そう思えば、日本女性でありながら、戦後すぐにアメリカのジャズ界で活躍した秋吉敏子さんは異例中の異例だろう。
あらためて深く深く尊敬申し上げる。
しかし、こういう点ではジャズ界のほうが、クラシック界より男社会なのだろうか?
この観点からモノを見たことがなかったので、ちょっと興味深い・・・
上原ひろみさんとダイアナ・クラール
ところで最近、いつも物議を醸す発言をする老政治家の言ではないが、私にとって女性とはみな松竹梅のカテゴリーにはいる美人だということを申し上げておこう。
そのわけは以下の記事で。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
そして美人というより、可愛いといったほうが似合う容姿、しかしピアノのテクニックでは男性をも凌ぐ腕前を持っていると言えば、上原ひろみさんだろう。
下は「徹子の部屋」で「上を向いて歩こう」を披露した時のもの。
いや、すごいです。
そしてピアノの腕前では、師のお墨付きのダイアナ・クラール。
(師は『歌は大したことないけど、ピアノはほんまにうまい!』といっていた)。
このかたはピアノだけでなく、歌も歌い、いわゆる弾き語りをなさる。
容姿で言えば、ハリウッド女優に近く、男性ファンも多いのではないか?
下はごきげんにスィングする「Fly me to the moon」。
いいなぁ、ピアノがうまくて声はジャズ向きで容姿はハリウッド級で・・・
これではまるで『天は三物をあたえた』ではないか!