「Watch what happens」は映画「シェルブールの雨傘」挿入歌
きょうはきのうの記事に続いて、またまたジャズの話題である。
アンサンブル練習会で「The Old Folks」の次に弾いたのは、ミシェル・ルグランの「Watch what happens」。
この曲については下記の過去記事でだいたいのことは書いてしまった。
いわく、映画「シェルブールの雨傘」挿入歌で、オリジナルはゆったりとしたテンポで宝石商カサールさんが、ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)に対する恋心をせつぜつと謳いあげるもの。
ところがのちにアメリカ人の作詞家が、まるで全然違う歌詞を書き、そのタイトルが「Watch what happens」(何が起こるかみてみよう、ぐらいの意?)なのだ。
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オリジナルとリメイクはどこが違うか?
あらためてこの2曲を聞くと、あまりの変わりように声もでないくらい。
だって、メロディーはまったく同じなんだよ。
なのに、4ビートにするか、ボサノヴァ風にするかで、がらっと変わる。
まるでメイクをせず、すっぴんでも美しいひとが、フルメイクでドレスを着たら、「馬子にも衣装」を通り越して、卒倒しそうなぐらいの美人になったみたいだ。
この原因はどこにあるんだろう?
もういっぺんオリジナルを聞いてみたらわかった!
しつこいようだが、ここでできればもう一度聴いていただきたい。
つまりオリジナルでは最後の「Bonsoir, Madame. Bonsoir, Monsieur Cassard」(ボンソワール、マダム。ボンソワール、ムッシューカサール)のリズムはまったく強調されていないが、リメイク版ではここがキーポイントではないだろうか!
ここが「タ・タ・タタータ」という特徴的なリズムになっているせいで、それこそ夜寝る前もアタマにこびりついて離れないぐらい中毒性があるのだ。
【演奏動画】「Watch what happens」
さて私の演奏動画を少々ご解説。
イントロ8小節のあと(このとき、ドラムさんがちょっとはいろうとした。もうちょっと待ってほしかったんだけど、わかりにくかったかなぁ)
00:14~ テーマ1コーラス
01:12~ ピアノアドリブ2コーラス
03:01~ ベースアドリブ1コーラス
03:56 ~ ピアノとドラムの4バース(ピアノとドラムが4小節ごと交替でアドリブ)
04:50~ テーマに戻って1コーラス
05:42~ エンディングで私がか細げに「最後です」という。
もうちょっと元気よくハッキリと言わんかい!
そしてなんとか奇跡的にエンディングが決まった!
練習もリハーサルも、打ち合わせもなかったのに、である。
これもひとえにプロのベース氏、ドラムス氏のおかげである。
数日前、「ソロピアノのほうがいいかなぁ」と弱気になったのはまちがいだった。
やっぱり、アンサンブルは愉しい。
いちどこの愉しさを知ったら、もうやめられないね。