知る人ぞ知る英国王立音楽検定(ABRSM)
きのうの記事で「英国王立音楽検定(ABRSM)」のことを書いたが、ひょっとしてこの団体のことをご存じないかたもいらっしゃるかと思い、日本語と英語のリンクを両方貼っておく。
どう考えたってこの団体が日本人に広く知られているとは言い難いであろう。
その理由として、私の当時の先生は、
「芸大のおえらい先生方にとって、音楽の都はやっぱりドイツやウィーンなのよ。
だからイギリス発祥の団体が始めた検定なんて、ちょっとバカにしているのよ」
と憤慨していた。
なるほどね。
それはあるかもしれない。
日本での受験者数は、他のアジアの国、例えばマレーシアやシンガポールと比べても、非常に少ないそうだ。
でもやりようによっては日本でも、もうちょっとメジャーな存在になれると思うんだけど。
音楽検定で日本で有名なのは、なんといってもヤマハのグレードだろうね。
私のジャズ友も、いつかピアノを教えられるようになりたいと思って、その昔取得したそうだ。
彼女は有名国立大の理系学部出身だから、なにもいまさらピアノ講師を目指さなくても、と思うのだが、まあひとはそれぞれ。
あと、英国王立音楽検定の試験は英語だから、それもハードルが高い理由かもしれない。
希望すれば通訳をお願いすることもできるらしいけど。
為替変動の影響をうける検定料
けれど私がこの検定に及び腰なのは、その受験料の高さであることを白状しよう。
私が最初に受験することをすすめられたグレード5では、283USD。
今のだいたいのレート、1ドル=150円として42,450円になる。
むむむ。
これは落ちたらまた来年!と明るく笑える金額ではない。
少なくとも私にとっては。
当時、先生からは、
「まず、グレード5からはじめて、最終的には日本の音大卒にも匹敵するグレード8を目指しましょう。
けれどもグレード6以上は理論のテストに合格しないと受験できません。
2022年から理論はご自宅のパソコンでオンラインで受験できるようになりましたから、よく勉強して、準備ができたら随時ご自分で申し込んでください」
と言われたのだが・・・
ところで理論テストの受験料はいくらかというと、118USD。
これも1ドル=150円で計算すると、17,700円となる。
わざわざイギリスから試験官がお出ましになる演奏グレードでは、受験料が高くなるのは仕方がないと思う。
またそれだからこそ、価値があるようにも思うのだが、オンラインでもこの金額かぁ。
でも、私がこの先生のところまで通っていた2023年春では、まだ1ドル=130円ぐらいだったのだ。
計算するとあのときに受験していれば、15,000円ぐらいですんだのだ。
あーあ、なんか時期を逸したかなぁ。
こんなに為替変動の影響を受けるのなら、受験するとしても円高になってからにしようなかぁ(これはたぶん逃げ口上)。
最近の子どもはピアノも英語も
ところで英国王立音楽検定を推進していた先生の生徒さんは、多くは小学生~高校生で、そのお母様がたも検定受験に熱心だったようだ。
なんでもこの検定のグレードを持っていると、ピアノも英語もできるという証明になり、内申書にもよい影響をもたらしてくれるそうだ。
ということは、お月謝プラス検定料もいることになる。
そしてこの検定でイギリス人の試験官の質問が理解できるように、英会話教室にも通っている。
最近の子供たちは何でもできるんだね。
ピアノでも指は廻るし、英語の発音もきっとネイティブ並みなのだろう。
うらやましいけれど世の中は、そういうご家庭の子どもばかりではないだろう。
それに英語もピアノも、使わなかったら(弾かなかったら)宝の持ちぐされ。
習うのはもっとあとでもええよ!と言いたくもなるのだが。