夢でささやくピアノ

ジャズピアノとクラシックピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

男だって見守ってほしい?~Someone to watch over me

「Someone to watch over me」の邦訳が気に入らない

ジャズスタンダードの「Someone to watch over me」については、邦訳として「誰かが私を見つめている」と「やさしき伴侶」の二通りがあるようだ。

「誰かが私を見つめている」ってこれよくないよね?

だってまるでストーカーに見張られているみたいじゃない?

この訳ができたころはストーカーなんかいなかったのか、もしくは話題にならなかったのかもしれないけど。

「やさしき伴侶」のほうがましだけれども、どうも「伴侶」というのが古臭い。

というのでどうしても、「Someone to watch over me」という、日本人にとってはやや長ったらしい英語の題名を挙げてしまうのだ。

しかし歌の内容は、別に複雑ではない。

若いジュリー・アンドリュースが歌うとピッタリ

この歌を女性が歌う場合は、

「私は森の迷える子羊。

私には私を見まもってくれるひとが必要なの。

そのひとは他の女の子が思うようなハンサムな男性ではないかもしれない。

でもそのひとは私の心の鍵を握った人なの。

おねがいだからその人に伝えて。

早く私のところにきて、と」

とだいたいこんな感じ。

こういう歌詞ってやっぱり恋に恋する若い女性が歌うほうが、ピッタリくるのでは?

これをジャズボーカルの大御所、エラ・フィツジェラルドが歌っていて、たしかにうまいのだが、なんかご本人の老練なイメージとあわない。

それで若かりし頃のジュリー・アンドリュースの歌唱をみつけた!

これならピッタリという感じ。

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男性版のSomeone to watch over meは自虐的

しかしこの歌は男性歌手、フランク・シナトラスティングまで歌っているのだ。

それも歌詞のhe をshe に代えるだけではない。

女性版では、相手の男性のことを「ハンサムではないかもしれないが」となっているのに、男性版は「僕はハンサムではないかもしれないが➡Although I may not be the man some girls think of as handsome」となっているのだ。

なんとまあ、気が利いているというか、自虐的というか・・・

それではスティングの歌唱をきいてみよう。

私はどうしても彼の声よりも、ピアノ伴奏のほうに注目してしまうのだが・・・

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男性がこの歌を歌っても全然おかしくない

この歌を男性が歌ってもいいのだが、どうにも私には最初ピンとこなかった。

男性が自分を見守ってくれる女性を探しているなんてね。

男性とは女性を守りながら(護りながら?)、自分が先頭に立って二人の人生を切り開くのが天命ではなかったのか?というのが最初の私の発想だったのだが、これって古いよね。

これだから昭和の人間はどうも、と言われそうだ。

その証拠に、あの小室圭氏だって、

「宮様は私のことを月のように静かに見守ってくださる存在でございます。」

と述べられたではないか。

だからこの「Someone to watch over me」だって男性が歌ってもなんらおかしいところはないのだ、ということがやっとわかったよ。