パヴァーヌとはどういう意味か?
ジャズ友4人組のなかでクラシックピアノのレッスンを続けているのは私だけである。
あとの女性2人は比較的最近までやっていたが、もう続ける気はないみたい。
「シャープやフラットがいっぱいついているのをみただけでイヤになる」
と言っている。
実は私もそうなのだが、なぜか今も続けているのだけれど。
そして男性のほうは、すこうしだけ習ったことがあるそうだ。
しかしクラシックにはほとんど興味がない、と言っていたっけ。
なのに好奇心旺盛のせいか、私が今、フォーレの「パヴァーヌ」をやっているといったら、
「パヴァーヌってどういうこと?」
と聞いてきた。
そんなん、私も知らんがな。
私は、
「古典舞踊の一種らしいよ」
とだけ言っておいた。
すると彼は、
「『亡き王女のパヴァーヌ』ってありますよね?」
と聞いてきた。
なんや、よく知ってるやん。
「そうそう、ラヴェルのね。
どっちかというと、ラヴェルのほうが有名かもしれないね。
私はフォーレのメロディーのほうが好きだけど」
そしたら彼は最初のところだけ弾いてくれ、と言う。
まぁええよ。
最初やったら、あんまり間違えないはず。
そこで最初の4小節を弾いたところで、彼は、
「あ、これ、ザ・タイガースの『花の首飾り』に似てるね!」
というではないか。
ザ・タイガースの花の首飾りを知っている年齢層
花の首飾り?
もちろん知っているけど、似ているか?
ここで年齢がお互いに1歳しか違わない女性二人のうち、一人が、
「何? それ?」
「え? 知らないの?
たった一つしか違わないのに?」
しかしこの歌が流行った1968年では、彼女たちは満足にことばも喋れない幼児だったはずである。
要するに、その後の懐メロ番組をみていたか、見ていなかったかにかかわるのではないだろうか?
尚、フォーレの「パヴァーヌ」が「花の首飾り」に似ているか、については、
「そうかもしれないねぇ」
とお茶を濁しておいた。
そんな気もするが、まさかぁという気もしたからである。
「パヴァーヌ」と「花の首飾り」冒頭メロディー比較
家に帰ってから二つの旋律を比べてみた。
私はこの嬰ヘ短調という調が大キライなのだが。
かたや「花の首飾り」のオリジナルはEm、つまりホ短調。
でも比べ安くするために嬰ヘ短調、つまりF#mに移調してみると、下記となる。
音符づらは似ているとは思えない。
しかし彼の言うこともなんとなくわかる気がする。
2つの共通点は
- 短調であること
- テンポがアンダンテぐらいであること
でも、これぐらいの共通点だったら、古今東西で似ている曲は山ほどあることになるのだが?
興味のない音楽はどれも同じに聞こえる
結局思った。
誰しもあまり興味のない音楽は同じに聞こえるのではないか?
私だって最近のJポップスにはまったく興味がないから、どれもこれも同じ曲想、テンポ、リズムに聞こえる。
それといっしょで、私より若干年下のE氏には、あまり興味のないクラシック曲のフォーレのパヴァーヌが、子ども時代に爆発的に流行した「花の首飾り」とほぼ同じに聞こえるのではないだろうか?
でも、「花の首飾り」っていい曲だよ。
私は大好き。
特に、サビの
「私の首にかけておくれよ
あなたの腕がからみつくように」
を歌うと気持ちがたかぶるんだよね。