クラシック無経験でもジャズが上手なかたはいる
私が習っているジャズピアノの教室には、クラシックピアノを経験しないで、いきなりジャズピアノに入門したかたが何名かいらっしゃる。
結論からいうと、みなさん結構お上手なのだ。
子ども時代に、いちおうハノンとかツェルニーとかをやらされた私にはちょっとした驚異である。
「へぇ~ あんな退屈なものしなくてもこんなに上手に弾けるのか?」
と思うとちょっと損をした気分になる。
ひょっとしてああいう練習曲に費やした時間はムダだったのでないだろうか?と思うとだんだん悔しくなっている。
しかし、先日、その方たちの弾き方を間近にじぃーっと見ていて、気がついたことがあった。
バーナム先生にうるさく言われたこと
私の気づきはつい先日までお世話になっていたというか、今はお休みしているが、近い内にまたお世話になるであろう先生の教えがあってこそである。
その先生は、バーナムピアノテクニックの信奉者で、1時間のレッスンのうちほぼ半分をこれに費やすこともあったから、「バーナム先生」としておこう。
バーナム先生はフォームについてうるさかった。
私はこの先生について初めて、黒鍵は親指で弾かないこと(よっぽどのことがないかぎり)、中指がときどきぴょこんと伸びるクセを治すように、と指導された。
そのときの記事は以下。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
それでそのクセが治ったかというと、まぁだいたいよくなったのではないだろうか?
中指ぴょこんというのは、いまでもやらかしているかもしれないが、少なくとも黒鍵を親指で弾かない、というのは私の意識に浸透している気がする。
もちろん例外もあるよ。
バッハみたいに指が10本では足りないような多声音楽だと、親指どころか猫の指(手?)も借りたいことはよくある。
鍵盤上のジグザグ運動がムダにみえる
しかし先日、ジャズ友が弾くのをみていたら、彼は黒鍵を好んで親指で弾いているように見えるのだ。
するとどうなるか?
黒鍵を親指で弾くと、そのぶん手が鍵盤の奥に移動する。
そして弾き終わったら手はまた手前に戻る。
また親指で黒鍵打鍵のために手が奥に移動する。
要するにジグザグなのだ。
鍵盤の手前と奥をいったりきたり・・・
その運動に要する時間はゼロコンマ何秒か知らないが、もったいなくはないか?
しかも彼は私よりは120%は大きい手をしている。
だから手首を移動させずに指だけを延ばせば充分鍵盤にとどくはずなのだ。
クラシックでしか習わない基礎練習
「もったいないなぁ~」
と私は思った。
せっかくあれだけのパワーを持ちながら、いまいち敏捷性に欠けるのは、手指のムダな動きが多すぎるせいだと思う。
私はこれを指摘したか?
いや、せえへんよ!
中高生のころだったら、同級生の男子には言ったかもしれない。
「鍵盤上で指がバタバタ暴れすぎなんとちゃう?」
しかし今、私は充分大人であるし、「おまえがいうか!」と思われそうなので黙っている。
しかしもったいない。
思えばクラシックピアノを多少でも習ったことのある人はこんな弾き方はあまりしない。
それは基礎練習というか、ハノンとかツェルニーの練習曲をやっている折に、先生から指摘されるのだろう。
ジャズの先生はこんなことは絶対に言わないと思う。
要するにジャズではなんでもOKなのだから。
それはそれでいいとしてもやね。
なんだかだんだん、あのバーナム先生が恋しくなってきたよ・・・