夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

全音ピースのパルティータは完全ダメ出しを食らった

全音ピアノピースのバッハ パルティータ1番

全音ピアノピースのパルティータではいけませんか?

もし私があのとき、「今年もバッハコンクールを受けるつもりです」とか「受けたいと思っています」とか「受けようかなと迷っています」などと言わなければ、先生からこれほどのダメ出しを食らうことはなかったかもしれない。

しかしその意思があることは伝えてしまった。

そのときは先生は微笑んでおられた。

そして弾くつもりの曲目を告げると、先生はちょっと首をかしげるかんじになり(たぶんバッハパルティー1番はわたしにはハードルが高すぎると思われたのだろう)、おまけに楽譜は全音ピアノピースを買った、というと、先生はキッパリと、

「一番悪い例ですね!」

と言ったのである。

楽譜代ぐらいは節約したかった

いまさら説明でもないが、全音ピアノピースとは文字どおり、ピアノ曲の1曲売りの版で、出版社は全音のハズである。

どうしてパルティータ1番を練習するのにこれを選んだかと言うと、他の曲集、例えばヘンレ版とかウィーン原典版のように、パルティータ2番とか3番とかいろいろはいっていても、「どうせそんなんやらへんわ」と思ったからである。

確かに、ピアノレッスンを再開した3年ぐらい前から、私はバッハをこれまでより強く愛するようになったのだが、それでもあれもこれもやりたいとは思っていない。

たまたま気に入った曲があればそれをかじるので充分だと思っている。

それでもいっぱしの大人ピアノ愛好者としては、ヘンレ版とかウィーン原典版とかを、手元においておくほうが格好がつくのでは、とは思った。

しかしそういうのはだいたいにおいて、価格も立派なのである。

ハナシが脱線するが、大人のピアノというものは、やりようにもよるかもしれないが、いろいろ経費がかかるものだ。

レッスン代はもちろん、発表会やら弾きあい会の参加料やら、その場に応じて服装にも気をくばっていたら、あっというまに羽のはえた諭吉さんが飛んで行く。

ちょっとこれでは「大人ピアノは老後の趣味として最適」とは声を大にして言えない。

ま、家で独学で弾いてればいいのだろうけどね。

ということで、私は楽譜代ぐらい節約したかったのだ。

何といってもヘンレ版や原典版なら2-3千円は軽くするが、全音ピアノピースのパルティータ1番だけなら550円ですむのだから!

ピアノ学習者はどこの楽譜を買えばよいのか?

ところで、先生はピースだけでなく全音の楽譜自体がお気に召さないようだった。

私が「インヴェンション/シンフォニア全音を使っています」と言うと、「しょうがないわね」という感じだった。

もちろん今から買いなおせ、とは言わないが。

さらに、「ヘンレ版やウィーン原典版は、ピアノ学習者には向かない、なぜならアーティキュレーションなどの詳細が楽譜に書かれていないから」ということだった。

おや、これもおおかたのネットの評判とは異なるのではないか?

私がネットで読む楽譜についての多くの意見では、いらないことがたくさん書いてある日本の楽譜は本物ではない、という趣旨の論調が多いと思う。

だから私も、なるほどなぁ、バッハの時代に弾かれていたことより、余計なことが書いてあるようでは、そりゃホンモノではないなぁ、と思っていたのだ。

ところが、先生によると、コンクールでは

これこれの楽譜を使っていて、その通りに弾いているということが、審査員にわかることが大事なのです!

えーーーー! そういう論理なの!

そしたら先生、もし私が性懲りもなくまたコンクールに出たいのなら、どの版の楽譜を買えばよろしいのでしょうか??