先日のジャズピアノレッスン。
「元気やった?」
と聞く師に、
「はい。東京へ行ってきました!」
と言うと、
「あ、そやそや! コンテストがあってんな、そんでどやった?」
私はエリーゼ音楽祭の金賞がどうの、金賞というのは名前はよくても実は2位以下で、などど説明するのが面倒くさかったので、
「私がエントリーしたカテゴリーで2位でした」
「惜しい!」
そのあと、緑色の講評を見せると、「ボサノバをソロピアノで弾くのはむずかしいですね」とか「左手を消しすぎ」とか「もっとはちゃけたほうが良かった」とのコメントに師は「あー、これは僕のせいや」と呟いていた。
つまり師は、がちゃがちゃとうるさいピアノがお好みではなく、私にもっと「内なる情熱」を秘めた演奏を求めたのだが、それが逆効果だった、と悔いているのだった。
いや、そんなん、わかりませんよ。
日経ホールという大きなホールと、ジャズバーとはまた違うし、それに何より私のピアノがしょぼかったというのは紛れもない事実なのだ。
ポピュラーピアノは圧倒的に日本の曲
それから師にプログラムを見せて、他の参加者がどういう曲を弾いたのかをいっしょに検証した。
そして発見したのは、
- 私が知らない曲は師も知らない。
- 私が知っている曲は師も知っている。
- 私も師も知っている曲は少ない。
これらから導き出される命題は何か?
ジャジャーン!(でもないか)
ポピュラーを弾かれるかたはみな圧倒的にJPOPが多い。
例えば、以下、私も師も知らない曲
これらはみな日本人の作曲家によるものなんだね。
多くはアニメ?テレビドラマの主題歌?
かつてJPOPは歌謡曲だった
思えば私や師の若き日、日本の歌といえば「ダサい」という先入観があった。
その頃、JPOPということばはまだなく、「歌謡曲」というカテゴリーにみなひとくくりされていた。
当時のスターで、ポップスっぽい歌謡曲を歌う歌手と言えば、沢田研二、布施明、郷ひろみ、西城秀樹だったか?
女性歌手はアイドル路線があって、山口百恵から松田聖子に交代し、並行して荒井由実、中島みゆきがいたが、彼女たちの歌は歌謡曲とは呼ばれなかった。
そしてそのあとは?
どうもよくわからない。
たぶんこの頃から私は歌謡曲➡JPOPをまったく聴かなくなり、聴くのはジャズとクラシックだけになってしまったようだ。
私も師も知っている曲は古い
それでは私も師も知っている曲といえば、
こう見ると作曲年度の鮮度はかなり落ちる。
しかしあと10年後も残っているか?といえばこちらのほうが長持ちしそうな気がするのだが・・・というのはやっかみかもしれない。
今の人は日本の歌を聴き、そして弾く
よくも悪くも、私や師の若いころは「西洋かぶれ」と言えるかもしれない。
アメリカやイギリス発祥のヒット曲に熱狂し、発音が悪くても英語の歌詞を歌おうとし、邦画よりも洋画を鑑賞し、本場の音楽修行には東京ではなくニューヨークに行き(これは師の場合)・・・
それがいつのまにか、日本人の海外への憧れが減り、日本の歌を歌い、ピアノでも弾くようになった。
それじゃ、私も弾くまではいかなくても、せめて知っておいたほうがよくないか?
自分の好きなものばかり聞いていては発展がない。
やっぱりもう一度、サブスクを試してみようかなぁ。